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[がん政策レター 2013/08/13(第101号)]夏休みに読み返したい7冊

配信日付:2013年08月13日


━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2013/08/13(第101号)
■□   がん政策レター   □■  日本医療政策機構 市民医療協議会
━━━━━━━━━━━━━━━━━━ がん政策情報センター

がん政策レターでは、各地の「がん患者アドボケート」による活動やがん対策
の好事例を紹介し、がん医療の“均てん化”を目指します。

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[1] センター長コラム
[2] がん対策レポート
[3] インフォメーション
[4] がん対策トピックス
[5] がん対策ニュース


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[1] センター長コラム

● 夏休みに読み返したい7冊

 ここ1年ほどの間に買って読んだ本を書棚から7冊引っ張りだしてきました。
夏休みに読み返してみようと思います。本に線を引いたところを引用するなど、
少し紹介してみます。それぞれの本の内容や論調のすべてにもろ手をあげて賛
同するかどうかは別として、いずれもアドボカシー活動の栄養になる、読んで
損のない本ではないでしょうか。

1冊目:「池上彰の政治の学校」
(池上彰著、朝日新書、798円)
 ものごとを分かりやすく解説することで定評がある池上彰さん。タブーを恐
れず本音で政党、国会、官僚などについて説明しています。「日本の国会議員
は、必ずしも自分の信条と照らし合わせて所属する政党を決めているわけでは
ないということです。選挙で勝てそうな政党に所属している人が多いのです」
など、ハッとさせられる指摘に満ちています。国会議員の生活について読めば、
いつ面談を申し込めばいいかが分かります。官僚の審議会委員の決め方を知れ
ば、それへの対応ができます。アドボケートとして現状を知ったうえでそれに
対処したり、改革へのアクションを起こしたりすることができるでしょう。

2冊目:「政治の終焉」
(御厨貴/松原隆一郎著、NHK出版新書、777円)
 2009年と12年の政権交代、今年7月の参議院選挙の結果・・・。めまぐるしい政
治の変化をどう理解すればいいのかが、対談形式で楽しく読めます。第2章の
「『改革』幻想の二〇年--なぜ政治は空洞化したのか」ではいろいろ考えさ
せられます。「結論から言うと、日本では二大政党制論はこれまでのところ虚
妄だったんですよ」(御厨氏)、「対立する二つの価値観が確立されていない
日本では、そもそも二大政党制は無理だったということでしょう」(松原氏)
とあります。改革を主導してきた人たちによる「平成デモクラシー 政治改革
25年の歴史」(講談社)を併せて読めば、バランスよく両論を知ることができ
るでしょう。

3冊目:「リーダーシップ3.0」
(小杉俊哉著、祥伝社新書、861円)
 リーダーは、カリスマタイプの1.0も、変革者型の2.0も古く、参加者の力を
引き出す支援者であるリーダーシップ3.0が求められる時代とします。それに
必要な要素として、(1)ビジョンを持ち、語る(2)リーダーになる(3)ミ
ッションを持つ(4)他者を支援する(5)人間力を磨く(6)仮面をとる(7)
ファシリテート(促進)する(8)「エンパワーメント」を正しく理解し実行
する(9)動機づけを行う--の9つをあげています。企業のリーダーより、む
しろアドボケートの方がこうした要素を持っている場合が多いのかも知れませ
ん。この9カ条はアドボケートのセルフチェックにも使えそうですね。

4冊目:「道徳を問い問いなおす リベラリズムと教育のゆくえ」
(河野哲也著、ちくま新書、819円)
 本書は、「善き社会を構築するための基本的態度と方法論、スキルを獲得す
るための教育」を「道徳教育」とします。哲学的な素養のない私にこの本は難
解すぎますが、前回読んだときには次のようなところに下線を引いていました。
「私的生活の自律性を保証する市民的自由や基本的な人権を維持するためには、
市民は、自らが政治的徳性をもち、すすんで公的生活に参加しなければならな
いことが自覚される」「道徳性は、他者への共感から始まり、他者の自律的な
成長を促す援助にこそ、その本質が存在する」「教育とは、ひたすら本人に努
力を求めるものではなく、環境と行為者の有効な関係性を構築することである」。

5冊目:「評価と贈与の経済学」
(内田樹/岡田斗司夫著、徳間ポケット、1000円)
 タイトルからしてアドボカシーと関係がなさそうに見えるかも知れませんが、
実は深く関連した内容が含まれています。第5章「贈与経済、評価経済」には、
「人のお世話をするというのは、かつて自分が贈与された贈り物を時間差をも
ってお返しすること」「親切って目減りするっていうもんじゃないから。親切
にすればするほど、親切の総量は増えていく」「もっとも上質な贈与というの
は、こういうふうに本人も知らない、周囲の人も知らないのに、みんなを救う
ようなことをしてしまっているというもの」との内田氏の発言があります。ア
ドボケートの方が、同様なことを語っているのを聞いたことがあります。

6冊目:「コミュニティデザインの時代 自分たちで『まち』をつくる」
(山崎亮著、中公新書、903円)
 全国で常時50ぐらいのコミュニティづくりに携わっているという著者。地域
で“六位一体”のプロジェクトを進めようとしている人にとって、ヒントを得
られるかも。著者は、コミュニティデザインを実施するプロセスを定型化する
のは難しいとしながらも、(1)ヒアリング(2)ワークショップ(3)チーム
ビルディング(4)活動支援--の4つのステップがあるといいます。外から支
援する立場にいる著者と、自らリードするアドボケートとの間には視点の違い
があるでしょうが、それさえ意識して読み進めれば、アドボカシー活動に応用
できるアイデアが見つかるかも知れません。

7冊目:「『対面力』をつけろ!」
(齋藤孝著、光文社新書、777円)
 アドボケートが政治家や行政担当者と会うとき、必ずしも完全に意見が一致
するわけではないでしょう。しかし、アドボケートの役割が、社会を変革する
ために人を動かすことだとするならば、自分の意見を声高に主張して、相手を
引かせてしまっても、目的の達成からはむしろ遠くなるばかりです。本書には、
「礼儀正しくする」「微笑をたたえる」「相手の名前を呼ぶ」「相手と反対意
見を述べたいなら、受け止めてから、ずらしていく」「15秒で意味内容のある
ことを述べる」「人をほめる」など、相手を引きつける対人スキルが多数紹介
されています。アドボケートが備えておきたいことも含まれているでしょう。

 一昨年の5月には10冊の本を紹介していますので、そちらも参考になさって
ください。前回も今回も、入手しやすい新書だけから選んでみました。
(センター長 埴岡健一)

参考サイト
>>「ゴールデンウィークに読み返したい10冊」[がん政策レター 2011/05/03(第42号)]
http://ganseisaku.net/backnumber_detail.html?mid=42
>>アドボカシーワークブック(&ツールキット編)
http://ganseisaku.net/advocacy_model.html


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[2] がん対策レポート

今回はお休みさせていただきます。
次号をお楽しみに。


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[3] インフォメーション

今回はお休みさせていただきます。
次号をお楽しみに。


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[4] がん対策トピックス

>>がん情報サービス〔8月8日更新〕
http://ganjoho.jp/public/index.html


>>がんに関するイベントのお知らせ〔8月8日更新、千葉県〕
http://www.pref.chiba.lg.jp/kenzu/event/ganevent.html

>>ぎふがんねっと〔8月7日更新、岐阜県〕
http://gifugan.net/

>>肺がん精密検診機関について〔8月7日更新、岡山県〕
http://www.pref.okayama.jp/page/detail-38586.html

>>北海道のがん対策情報〔8月6日更新、北海道〕
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/kth/kak/gantaisakujyouhou.htm

>>がんに関するイベント等〔8月6日更新、宮城県〕
http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/situkan/eventtop.html

>>佐賀のがん情報〔8月6日更新、佐賀県〕
http://www.pref.saga.lg.jp/web/kurashi/_1019/gan/top.html

>>しまねのがん対策〔8月5日更新、島根県〕
http://www.shimane-gan.jp/index.html

>>広島がんネット〔8月2日更新、広島県〕
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/gan-net/

>>埼玉県がん対策推進協議会委員を募集します〔8月1日更新、埼玉県〕
http://www.pref.saitama.lg.jp/site/gantaisaku/kyougikaiiinbosyuu.html


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[5] がん対策ニュース

>>東北大、がん患者向けサイト開設 宮城、地域情報を発信[8月9日、朝日新聞]
http://digital.asahi.com/area/miyagi/articles/TKY201308080381.html

>>がん患者の就労を支援/神奈川県[8月8日、タウンニュース]
http://www.townnews.co.jp/0115/2013/08/08/199193.html

>>乳がん・子宮がん検診、県内17会場で休日受診OK/新潟県[8月8日、新潟日報]
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20130808059662.html

>>全国がん登録法案、パブコメ第2弾実施へ-データ利用規定などで意見募集[8月7日、CBNews]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130807-00000002-cbn-soci

>>緩和ケアセンター、地域医療連携の「要」に-厚労省来年度予算概算要求も[8月7日、CBNews]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130807-00000007-cbn-soci

※がん対策関連のニュースは下記にまとめて掲載しております。
http://ganseisaku.net/newsclip.html


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日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センターでは定期的にメール
マガジンを配信しております。
配信の停止をご希望の方は、下記事務局まで、連絡してください。
今後とも当機構の活動へのご支援を何とぞよろしくお願い申し上げます。

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がん政策レター 2013/08/13(第101号)

発行所	   :日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
発行人/編集長:埴岡 健一

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Tel	   :03-3222-6532
Fax	   :03-3222-6535
E-mail	   :gan_newsletter@hgpi.org
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	    http://www.shimin-iryou.org/

Copyright(c) 2013 日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
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