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がん政策情報センターとは

 2009年1月に活動を開始した「がん政策情報センター」は、患者関係者を支援することでより良い医療が実現することを願い、ミッション・ゴール・活動内容などを設定し、2014年6月まで活動しました。

【ミッション】
 「患者・市民が政策立案プロセスを主導することにより、最上の医療を社会全般に実現すること」とのミッションに基づき、下記のような活動を行いました。活動のモデル図はこちら

【最終ゴール】
 最終ゴールは、ミッションにあるように「最上の医療を社会全般に実現する」です。
 国の「がん対策推進基本計画(第2期、2012~16年度)」は、「死亡率の削減」「生活の質(QOL)の向上」「がん患者が安心して暮らせる社会」の3つを全体目標としています。当センターの“最上の医療”の当面の具体的な姿として、国の目標をゴールに設定しました。
 がん政策情報センターは、こうした成果(アウトカム)を達成することへの、貢献すべく活動しました。

【中間ゴール】
 最終ゴールに至る途中の中間ゴールを、ミッションにある「患者・市民が政策立案プロセスを主導すること」によって、「よりよい施策・対策が実行されること」とし、その具体的姿として下記の3点を設定しました。以下、⇒部分にて、その成果の一端をご紹介します。

 ・国と地域のがん対策の各分野において、患者アドボケート*が立案や実施に参画しリード(牽引)すること
(注 患者アドボケート=政策提言や実践活動をする患者・家族・遺族・患者関係者)
⇒32道府県(2014年6月末現在)にある「がん対策推進条例」の制定、「都道府県がん対策推進計画」(2013~17年度)策定時の内容改善、都道府県がん対策予算の新規項目の設定、行政と患者関係者の協働など、各地で患者アドボケートが多くの実績を残されました。こうした活動は、「がん政策サミット」などの場で多数報告、事例交換が行われました。

 ・患者アドボケートが「六位一体*モデル」により、がん対策のステークホルダー(関係者)をまとめ、リード(牽引)すること
(注 六位一体=患者、議員、行政、医療提供者、民間、メディアの6つの立場が一緒に協働作業を行うこと)
⇒患者アドボケートから、議員、行政、医療提供者、民間、メディアへの積極的な働きかけが展開されました。「がん政策サミット」開催後のフォローアップヒアリングでは、サミットで学んだ他県の好事例を自県で実現すべく、多くの方が実際に関係者に働きかけたことが報告されました。

 ・その結果、がん対策における施策と計画および実践が、改善するという成果(アウトカム)が生まれること
⇒2011年に実施した「がんアドボカシーアンケート」の結果によると、患者・家族(回答数=103)の57%、都道府県庁(同=45)の67%、議員(同=89)の59%、医療提供者(同=263)の61%が、患者アドボカシーが「成果を生んでいる」と回答しました。アンケート結果の詳細はこちら

【活動内容】
 上記の中間ゴールが達成されるための支援として、具体的には次の3つの活動を実施しました。

〔活動1〕六位一体の協働の場の提供
・「がん政策サミット」の開催
 患者を中心に六位一体のかたちで協働してがん対策を考える場となる「がん政策サミット」を開催しました。
⇒2009年から2014年に合計9回開催いたしました。「アドボカシーの重要性の認識の浸透」「ネットワーキングの拡大」「知識と情報の獲得」「好事例の共有」「六位一体の連帯の進展」など、がん対策を継続的に向上させる「場」としてご活用いただきました。
 これまでの「がん政策サミット」の内容については、こちら
・地域の協働活動の支援
 地域で開催されるがん対策に関するイベントや会議などを支援する活動を行いました。
⇒講演、司会、ファシリテーションなどを多数行い、各地の行政などからの問い合わせに情報提供などを行いました。

〔活動2〕アドボカシーとネットワーキングの支援
アドボカシー*ワークブックおよびツールキットの作成・発行
(注* アドボカシー=政策提言や実践活動)
⇒みなさまの活動からの学びを集めた「アドボカシーワークブック」(第1版・第2版)を作成しました。
それを発展させ、すべての疾患領域を対象とした「患者アドボカシーカレッジ」を提供しました。
・患者アドボケート内のメーリングリストの運営
メールマガジン「がん政策レター」の発行
⇒2009年10月から2014年6月まで、隔週刊で122回のメルマガ配信を行いました。

〔活動3〕情報の収集と提供
・「格差データ」の収集、加工、提供
 都道府県別のがんの死亡率、死亡率改善率、医療資源など
都道府県別格差情報コーナーを設け、原則、毎年更新を行いました。第2期の都道府県がん対策推進計画では、こうした情報を引用した事例も散見されました。
・政策データの収集、加工、提供
 都道府県がん対策予算、都道府県のがん対策状況など
都道府県のがん対策予算の情報を、2009年度予算から2013年度予算まで収集し提供しました。
・ゴールに関するデータの収集、加工、提供
 最終ゴールと中間ゴールの成果、がん政策情報センターの活動の結果など
⇒都道府県別がん死亡率の推移などの情報提供を、ウエブサイトやメールマガジンにて行いました。

 がん政策情報センターは、(1)独立・中立の立場、(1)患者・市民支援のミッション、(3)設立以来の患者支援の実績、に基づき上記の活動を発展、深化させていくことを活動方針としました。
 がん政策情報センターは、患者アドボケートおよび六位一体活動の支援という意義ある業務をさせていただきました。これもひとえに、参加者、協力者、寄付者など、当センターの活動を可能としてくだった方々のご支援・ご貢献によるものです。この場を借りて、深く感謝申し上げます。

(参考)
 がん政策情報センター第1期の成果については、「がん政策情報センタープロジェクト 第1期(2009~11年)報告書」をご覧ください。また、「第1期評価委員会報告」もご参照ください。

更新日:2014年07月01日

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