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[がん政策レター 2013/12/03(第109号)]秋から冬に季節が変わり、年度のサイクルを考える

配信日付:2013年12月03日


━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2013/12/03(第109号)
■□   がん政策レター   □■  日本医療政策機構 市民医療協議会
━━━━━━━━━━━━━━━━━━ がん政策情報センター

がん政策レターでは、各地の「がん患者アドボケート」による活動やがん対策
の好事例を紹介し、がん医療の“均てん化”を目指します。

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[1] センター長コラム
[2] がん対策レポート
[3] インフォメーション
[4] がん対策トピックス
[5] がん対策ニュース


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[1] センター長コラム

● 秋から冬に季節が変わり、年度のサイクルを考える

 師走になりました。めっきり冬らしい季候になってきましたね。今回は、自
分の日記風になって恐縮ですが、がん政策情報センターのみならず、それ以外
の立場で行ったことも含め、私の秋を振り返ってみます。5つのトピックのう
ち、読者のみなさんに一つでも関心がある話題があればよいのですが・・・。

 まず、患者アドボケート支援について。この数カ月間も、この活動が主体で
した。このところは「患者アドボカシーカレッジ」の制作に市民医療協議会の
スタッフと共に掛かり切りに近い状態です。11月18日に22セクションで開講し、
昨日、数セクションを追加しました。これからも順次、増やしていきます。10
月24日は、京都で開催された日本癌治療学会学術集会のパネルディスカッショ
ンに参加しました。テーマは、「がん経験者(がんサバイバー)とその家族の
自主的活動への支援」で、私は、「がん対策に参加し、成果の促進を支えるが
ん患者関係者」との演題で、患者アドボケートの皆さんの活躍ぶりを紹介させ
ていただきました。会場では本レターの読者の方々のお顔をたくさん拝見でき
ました。

 以前にこのコラムで触れたように、9月29日には、北海道主催の「がん患者
や家族の協働・連携を考えるシンポジウム」に参加しましたが、患者関係者と
医療関係者が共にグループワークをする場を行政が設定したことには、大いに
感銘を受けました。東大公共政策大学院・医療政策教育研究ユニットの客員教
授を兼務しているのですが、毎年、「市民主体の医療」という話をしています。
今年は、社会人講座参加者向けに11月13日に、大学院生向けに11月26日向けに
行いました。医療界のリーダーを自認している方々や、これから社会に出てい
く若者たちに、患者アドボケートの意義と貢献を知っておいてほしいと思いま
す。

 2つ目は、地域医療に関して。地域の医療や計画についても、引き続き考え
る機会がありました。「患者の声協議会」という患者の声を医療政策に反映さ
せる活動をしている団体の世話人として、定期的に勉強会を開催しています。
10月19日は「医療・介護の連携の必要性・PartI:病気を抱えて生き、老いる
ことの意味」、11月17日は「医療・介護の連携の必要性・PartII:医療・介護
政策は高齢化にどのように対応してきたか、そして今後の課題は何か」がテー
マでした。ディスカッションのコーディネート役をして感じたのは、患者や家
族の悩みは複合化しており、縦割りの医療や介護や福祉サービスが十分に対応
できておらず、患者をナビゲートしたり、患者のためにサービスをコーディネ
ートしたりする人が、ますます必要になるということでした。

 9月22日には、東大のスタッフとしてシンポジウム「2025年に向けた医療計
画と診療報酬の姿~いま何に着手すべきか~」を開催しました。47都道府県の
医療計画をチームで分担して解読し、発表を行いました。その際の演者発表資
料は10月22日に掲載していますので、一読いただけると参考になると思います。
医療計画がしっかりすれば、がん対策にもよい波及があるでしょうし、しっか
りしたがん計画作りは医療計画にもよい影響を与えるという関係にあると思い
ます。さらには、医学書院が発行する「月刊公衆衛生」の12月号に、「わが国
のがん対策の評価-新たな政策立案に向けて」を寄稿しました。計画の評価が
「アウトプット評価(活動自体の評価)」から「アウトカム評価(活動が対象
に与えた影響の評価)」に脱皮しようとしている姿を描きました。

 3つ目は、医学研究関係です。11月16日は、患者団体NPO法人ブーゲンビリア
が開催された「いのちのバトン 薬はみんなで作るもの パートV~がん臨床試
験・治験について患者・市民の視点で考える~市民の声を創薬・社会保障制度
に活かす」でコーディネーターをする機会をいただきました。具体的な患者さ
んの悩みから、政策上の取り組みまで幅広い話をうかがって、残された今後の
課題について考えさせられました。日経BP未来研究所が発行する「テクノロジ
ー・ロードマップ2014‐2023」(11月28日発売)のがん医療編を分担執筆しま
した。技術を長期俯瞰するという作業は私の手に余る作業でしたが、改めて、
ハイテク技術だけでなく、医薬品の承認の仕組みや医療体制などの社会技術が
共に伸びなければ、患者さんには必要な技術が十分に届かないということを認
識し直しました。

 4つ目は、医療の質と情報に関すること。これには、家族が医療を受けて以
来、変わらぬ関心を持ち続けています。11月15日、沖縄県がん診療連携協議会
に委員として出席しました。席上、「都道府県がん対策カルテ2013」を使って
沖縄県の現状を振り返る発表を行いました。その際、「男性大腸がんの死亡率
(2012年)が47都道府県中ワースト1」であることを指摘したところ、会議で
議論が行われ、同協議会の部会が原因を分析して次回の同協議会で中間報告を
することになりました。そのことが翌日の地元紙でも報道されました。

 約3500万人が加入する医療保険である全国健康保険協会(協会けんぽ)の運
営委員をしています。このところ、協会けんぽでは、47都道府県別の医療の現
況に関するデータを積極的にレーダーチャートなどにまとめて公表しています。
協会けんぽは、さらに医療の質を含めた情報の収集・分析・公表を通じて、日
本の医療改革に貢献できるでしょう。11月26日に開催された運営委員会では、
来年度事業計画の骨子が示されましたが、その中で、来年度はデータを分析す
るための専担者を置くことが記載されました。協会けんぽでは、データを活用
して地域の医療政策などに提言していくことも、今後は進めていく方向です。

 最後は、医療安全です。11月23日には医療の質・安全学会の学術総会におけ
るシンポジウム「真実説明と謝罪を普及させよう」のコーディネーターを務め
ました。欧米や日本でも、医療事故が起こった際に、かつてのように隠すので
はなく、真実を説明し積極的に謝罪も行っていこうという動きが広がってきて
います。医療は大変複雑であり、残念ながら医療事故がたくさん起こります。
起こらないように対策を打つとともに、起こってしまったときは「真実説明と
謝罪」で適切に対応することが必要で、それにより事故にあった人も起こして
しまった人も納得ができるようになります。また、事故を語れるようになるこ
とで発生が防げるとも考えられています。がん医療は、抗がん剤療法や手術療
法など、医療安全管理が重要な領域が含まれています。患者相談を行っている
人は、「医療事故ではないだろうか」という相談を受けることもあると思いま
す。この活動に興味のある方は、真実説明に関する指針を読み、また、地域の
医師に手渡して読んでもらってください。

 振り返っているばかりでなく、いま進行中のことも関心をもたなければなり
ません。中央社会保険医療協議会(中医協)での診療報酬改定の議論は山場に
差し掛かってきたようです。社会保障制度改革国民会議報告書で示されたビジ
ョンに向けて、必要な法改正の法案が今後、順次審議されていきます。「がん
登録等の推進に関する法律案」が国会審議に入りました。そろそろ、都道府県
の来年度予算は編成作業の佳境に入ってくるでしょう。がん対策推進条例の制
定を目指しているところでは、法案が議会の審議にかかるところもあるでしょ
う。患者団体の幹部の方は、来年度予算や事業計画の策定が忙しい時期かも知
れません。「患者アドボカシーカレッジ」には、組織の事業計画づくりに役立
つコンテンツもありますので、その面でもご活用ください。
(センター長 埴岡 健一)

参考サイト

>>患者アドボカシーカレッジ
http://advocacy-college.net/
>>第51回日本癌治療学会学術集会
http://www2.convention.co.jp/jsco2013/
>>北海道主催、「がん患者や家族の協働・連携を考えるシンポジウム」(プレスリリース)
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/tkk/hodo/happyo/h25/09/250904-02gankanjya.pdf
>>患者の声協議会
http://www.patients-voice.jp/index.htm
>>東京大学公共政策大学院「医療政策教育・研究ユニット」主催シンポジウム 
「2025年に向けた医療計画と診療報酬の姿~いま何に着手すべきか~」(演者資料)
http://www.pp.u-tokyo.ac.jp/HPU/seminar/2013-09-22/index.html
>>医学書院「公衆衛生12月号」(特集 がん対策の強化)目次
http://www.igaku-shoin.co.jp/journalDetail.do?journal=34982
>>NPO法人ブーゲンビリア「いのちのバトン 薬はみんなで作るもの パートV」
http://www.buugenvilia.com/event/event20131116.pdf
>>沖縄県がん診療連携協議会
http://www.okican.jp/menuIndex.jsp?id=21426&menuid=6346&funcid=28
>>都道府県がん対策カルテ2013
http://ganseisaku.net/karte_2013.html
>>全国健康保険協会(協会けんぽ)運営委員会
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat720/h25
>>全国健康保険協会(協会けんぽ)医療費分析
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat740/sb7210/1927-45145
>>第8回医療の質・安全学会学術集会
http://www.procomu.jp/qsh2013/


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[2] がん対策レポート

今回はお休みさせていただきます。
次号をお楽しみに。


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[3] インフォメーション

今回はお休みさせていただきます。
次号をお楽しみに。


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[4] がん対策トピックス

>>がん情報サービス〔11月28日更新〕
http://ganjoho.jp/public/index.html


>>北海道のがん対策情報〔12月2日更新、北海道〕
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/kth/kak/gantaisakujyouhou.htm

>>しまねのがん対策〔12月2日更新、島根県〕
http://www.shimane-gan.jp/index.html

>>保健・医療・介護・福祉〔12月2日更新、福岡県〕
http://www.pref.fukuoka.lg.jp/life/new_list.html?id=2

>>ぎふがんねっと〔11月28日更新、岐阜県〕
http://gifugan.net/

>>Library of the Year 2013〔11月27日更新、長崎県〕
http://www.pref.nagasaki.jp/object/kenkaranooshirase/kennodekigoto/118456.html

>>山梨のがん情報〔11月26日更新、山梨県〕
http://www.pref.yamanashi.jp/kenko-zsn/seizinhoken/ganjyouhou.html

>>広島がんネット〔11月25日更新、広島県〕
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/gan-net/

>>がん患者さん・一般向け イベント・公開講座〔11月22日更新、宮城県〕
http://cancer-miyagi.jp/event/

>>がん検診の広域実施事業について〔11月22日更新、高知県〕
http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/130401/kouikigankenshin.html


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[5] がん対策ニュース

>>がん患者の就労支援開始 病院とハローワークが連携[12月1日、中日新聞]
http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20131201/CK2013120102000030.html

>>がんの情報提供「先進的」[11月29日、長崎新聞]
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2013/11/29091543011994.shtml

>>県内のがん患者5年生存率66.6% 広島[11月29日、産経新聞]
http://sankei.jp.msn.com/region/news/131129/hrs13112902440004-n1.htm

>>「がんサバイバー」急増 専門病院パンク寸前[11月23日、東京新聞]
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2013112302000192.html

>>がん登録法/実態の把握は対策の根本だ[11月23日、河北新報]
http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2013/11/20131123s01.htm

※がん対策関連のニュースは下記にまとめて掲載しております。
http://ganseisaku.net/newsclip.html


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日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センターでは定期的にメール
マガジンを配信しております。
配信の停止をご希望の方は、下記事務局まで、連絡してください。
今後とも当機構の活動へのご支援を何とぞよろしくお願い申し上げます。

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がん政策レター 2013/12/03(第109号)

発行所	   :日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
発行人/編集長:埴岡 健一

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Tel	   :03-3222-6532
Fax	   :03-3222-6535
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	    http://www.shimin-iryou.org/

Copyright(c) 2013 日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
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