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[がん政策レター 2014/02/18(第114号)]国と都道府県の医療政策の動向をアップデートする

配信日付:2014年02月18日


━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2014/02/18(第114号)
■□   がん政策レター   □■  日本医療政策機構 市民医療協議会
━━━━━━━━━━━━━━━━━━ がん政策情報センター

がん政策レターでは、各地の「がん患者アドボケート」による活動やがん対策
の好事例を紹介し、がん医療の“均てん化”を目指します。

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[1] センター長コラム
[2] がん対策レポート
[3] インフォメーション
[4] がん対策トピックス
[5] がん対策ニュース


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[1] センター長コラム

● 国と都道府県の医療政策の動向をアップデートする

 今年1月7日のこのコラムで政府予算と診療報酬改定の動向について書きまし
たが、今回は1月22日に開催された「全国厚生労働関係部局長会議(以下、部
局長会議)」の資料を読みながら、がん対策に関連しそうな昨今の医療政策の
状況を見ておきましょう。この部局長会議は、都道府県の幹部のために厚生労
働省で行われる説明会で、次年度の医療対策に関連する重要事項に幅広く触れ
られます。この資料は厚労省のウェブサイトに掲載されており、都道府県の目
下の関心事を知るにも適した資料で、がん対策担当者と会話をする際にこうし
た知識があれば、コミュニケーションがスムーズになる効果も生まれるでしょ
う。

 社会保障担当の政策統括官の資料では、「社会保障と税の一体改革」のこれ
までの経緯と今後の工程表(スケジュール)などがあります。これは、医療面
では、2025年の超高齢化社会の本格到来に対応できる医療提供体制への転換を、
消費税の増税で得た財源を活用しつつ図っていこうとするものです。目指すべ
き姿とおおまかな日程については、2013年8月6日にとりまとめられた「社会保
障制度改革国民会議」の報告書が示しています。この政策統括官の資料を見る
と、消費税増税分が、都道府県の医療提供体制改革のための基金(以下、基金)
や、高額療養費制度の見直しなどに配分されていることが分かります。

 工程表には、必要な法律改正の予定も記載されています。その第1弾として
2月12日に、「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関
係法律の整備等に関する法律案」(地域医療・介護推進法案)が閣議決定され、
今の国会で審議され成立する見通しです。この法律には、都道府県への基金の
設置、医療機関が都道府県知事に病床がどのように使われているかを知らせる
病床機能報告制度、都道府県が地域の医療提供体制の将来のあるべき姿を示す
地域医療構想(ビジョン)の作成、などが位置づけられています。また、医療
版事故調査制度の新設も盛り込まれています。

 部局長会議の医政局(医療制度などを担当)による資料には、医療計画の改
善に関する目下の取り組みが記載されています。医療計画は、地域の実情に応
じて医療提供体制を確保するために各都道府県が策定するものですが、がん対
策も記載事項となっています。また、各都道府県のがん対策推進計画とも整合
性が取られることとなっています。各都道府県で原則、2013年度から5カ年の
新たな医療計画とがん対策推進計画が進行していますが、2013年の7月からは
厚労省で「PDCAサイクルを通じた医療計画の実効性の向上のための研究会(以
下、医療計画PDCA研究会)」が開始され、PDCA(計画、実施、評価、改善)サ
イクルによって医療計画が実効性を高めていくことができるようにするための
検討が進んでいます。

 2月6日には、第4回の医療計画PDCA研究会が開催され、「医療計画作成支援
データブック」が検討されました。住民の健康状況、医療資源の状況などを明
らかにしたうえで医療計画を策定するためのツールです。今後の医療計画は、
先の病床機能報告制度による医療資源の数、地域医療構想(ビジョン)による
将来構想を踏まえ、こうした支援ツールも活用し、策定・改善されていくこと
となります。医政局による資料は、「医療機能の分化・連携に係る取り組みの
流れについて」の項で、こうした流れの全体像を示しています。また、在宅医
療については、在宅医療の推進と共に、介護との連携の強化が強調されていま
す。

 部局長会議の健康局(疾病対策などを担当)による資料には、がん対策の項
があります。がん拠点病院制度の変更についても解説されています。1月10日
に都道府県知事宛に健康局長から「がん診療連携拠点病院等の整備について」
という通知が発出されました。従来の地域がん診療連携拠点病院(以下、拠点
病院)に対しては、機能の向上のために指定要件にスタッフの強化などが盛り
込まれています。これまで拠点病院がなかった“空白”の医療圏のために、「地
域がん診療病院(以下、診療病院)」が新設されます。診療病院の指定要件は
拠点病院より緩やかですが、拠点病院とのグループ指定が必要となります。ま
た、「特定領域がん診療連携拠点病院」が新設されます。これは特定のがん種
に関して実績がある病院のための制度です。さらに、国立がん研究センターと
都道府県がん診療連携拠点病院には、がん対策のPDCAサイクルを促進させると
いう役割が付与されました。拠点病院制度全体として情報の可視化を進展させ
ることもうたわれています。新制度を踏まえて各都道府県では、がん診療に関
してどのように最適の提供体制を整備するか、検討が本格化していることでし
ょう。

 2月14日に開催された第42回がん対策推進協議会では、がん拠点病院制度の
変更と共に、昨年12月に決定した政府予算案による平成26年度がん対策予算案、
今年2月12日に決まった2014年4月1日から実施される診療報酬改定におけるが
ん対策関連分野などが、報告されていました。「今後のがん対策の方向性につ
いて」の審議事項では、2つのプレゼンテーションがありました。

 岡山大学の藤原俊義参考人の「正しい情報と個々の価値観に基づく治療法の
選択について」は、がんの治療成績、ガイドラインの整備状況、標準治療の提
供体制などに触れていました。院内がん登録の全国集計報告を用いて、がん種
別・進行度別の治療方法の割合の経年変化を分析したデータは、興味深いもの
でした。将来、都道府県や地域ごとにこうしたデータを見ることができるよう
になれば、均てん化(どこでも質の高い医療が提供されている状態)に役立つ
と考えられます。

 同協議会の濱本満紀委員による「適切な情報の獲得・活用と自己決定」は、
患者アドボケートががん対策の進展に果たした貢献に触れたうえで、情報提供
サイト「大阪がんええナビ」の紹介を行いました。患者さんに使い易いように、
病院ごとに機能情報や生存率を含む治療実績が提供されています。また、がん
対策の立案に役立つ地域の現況情報もたくさん掲載されています。地域がん登
録が早くから確立していた大阪府ならではのデータもありますが、他の都道府
県でも入手できるものが多く、同様の情報提供が広がることが期待されます。

 部局長会議の保険局(国民健康保険制度などを担当)による資料には、高額
療養費制度の見直しの資料が含まれています。年収約370万円以下の人の負担
が減ることなどが盛り込まれており、2015年1月から実施されます。

 保険局医療課による平成26年度診療報酬改定に関する資料には、診療報酬改
定の仕組み、スケジュール、今回改訂の基本方針、重要ポイントなどの基礎が
書かれています。1月22日の部局長会議の後の2月12日には、中央社会保険医療
協議会(中医協)が厚労大臣に平成26年度診療報酬を答申し、改定内容が確定
しました。2月12日の中医協の会議資料にある「個別改訂項目について」が、
その内容を知るのに便利です。全体としては、先の国民会議報告書が示す2025
年モデルへの対応を図る方向となっています。「主治医機能」「在宅医療のバ
ックアップ機能」「24時間対応やターミナルケアに対応できる訪問看護ステー
ション」など、さまざまな新たな対策が盛り込まれています。

 がん関連では、「がん患者カウンセリング料」が「がん患者指導管理料」と
なり、「医師または看護師が心理的不安を軽減するための面接を行った場合」
に、2000円の報酬が6回まで付けられるなどの強化が行われました。ただ、平
成22年度改定、24年度改定と比べると、がん関連の新たな項目は減っています。

 部局長会議の老健局(介護保険などを担当)による資料では、「地域包括ケ
アシステム」(介護が必要になった人も、住み慣れた自宅や地域で暮らし続け
られるように、医療、介護、介護予防、生活支援、住まいのサービスを、一体
的に受けられる支援体制のこと)の推進、市町村レベルでの「地域ケア会議」
の開催促進などの重点施策が解説されています。市町村への支援策として、シ
ンポジウム、全国会議、市町村セミナー、事例集作成、マニュアルの作成、研
修の実施など一連の施策が打たれていることが注目されます。介護・医療関連
情報の「見える化」システムは興味深いです。全国の二次医療圏や市町村の情
報を比較可能とし、住民にも分かりやすいかたちで提供することになっていま
す。

 以上、厚労省の部局長会議の資料を一助に、網羅性はありませんが、現在の
政策トピックをいくつかピックアップし、見てきました。各都道府県の医療政
策担当者は、こうした文脈を踏まえつつ、これからの地域の医療政策をどうす
るか真剣に考えているところでしょう。トレンドは、地域の現状を把握しつつ、
地域の特性に即しつつ、施策の継続的改善を行っていくという構図になってい
ます。その際、データを踏まえること、地域の住民や患者が政策立案に参画し
ていくこと、それらを伴うようにと位置付けられています。こうした姿は、が
ん対策においてこれまで進んできたことですし、がん対策でもさらなる進展が
望まれていることでしょう。

 今日のトピックには、がん患者アドボカシーカレッジの「5-3 補助金と診
療報酬」「5-7 社会保障制度改革国民会議」「5-8 中央社会保険医療協議
会」「5-9 地域医療計画」とも大いに関係しますので、併せてお読みくださ
い。部局長会議資料にざっと目を通したうえで、地元のがん対策担当者と意見
交換の機会を作り、アドボカシーが貢献できることを探してみてはいかがでし
ょうか。(センター長 埴岡健一)

参考サイト

>>平成25年度全国厚生労働関係部局長会議(厚生分科会)資料
http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/01/tp0120-1.html
>>地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/186-08.pdf
>>中央社会保険医療協議会 総会(第272回)資料 (診療報酬改定答申資料)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000037024.html
>>平成26年度診療報酬改定 個別改定項目について
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000037009.pdf
>>第4回PDCA サイクルを通じた医療計画の実効性の向上のための研究会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000036866.html
>>第42回がん対策推進協議会の開催について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000036875.html
>>がん診療連携拠点病院等の整備について(新指針)(厚生労働省健康局長通知) 
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/gan_byoin_03.pdf
>>同 新旧対照表
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/gan_byoin_04.pdf
>>新たながん診療提供体制の概要 
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/gan_byoin_02.pdf
>>患者アドボカシーカレッジ
http://advocacy-college.net/top.php


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[2] がん対策レポート

今回はお休みさせていただきます。
次号をお楽しみに。


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[3] インフォメーション

今回はお休みさせていただきます。
次号をお楽しみに。


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[4] がん対策トピックス

>>がん情報サービス〔2月6日更新〕
http://ganjoho.jp/public/index.html


>>しまねのがん対策〔2月17日更新、島根県〕
http://www.shimane-gan.jp/index.html

>>がん対策について〔2月14日更新、埼玉県〕
http://www.pref.saitama.lg.jp/site/gantaisaku/

>>山梨のがん情報〔2月14日更新、山梨県〕
http://www.pref.yamanashi.jp/kenko-zsn/seizinhoken/ganjyouhou.html

>>ぎふがんねっと〔2月13日更新、岐阜県〕
http://gifugan.net/

>>広島がんネット〔2月13日更新、広島県〕
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/gan-net/

>>新潟県がん対策推進協議会を開催します。〔2月12日更新、新潟県〕
http://www.pref.niigata.lg.jp/kenko/1356778076700.html

>>北海道のがん対策情報〔2月7日更新、北海道〕
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/kth/kak/gantaisakujyouhou.htm

>>がん情報〔2月6日更新、佐賀県〕
http://www.pref.saga.lg.jp/web/kurashi/_1019/gan.html

>>【2月5日】がん教育リーフレット『そうだったのか!がんのこと。』を小学校6年生に
配布し、がん教育・がん検診啓発を進めます。(保健予防課)〔2月5日更新、群馬県〕
http://www.pref.gunma.jp/houdou/d3000082.html


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[5] がん対策ニュース

>>がん在宅療養考える 市民講座に患者ら150人・松山[2月16日、愛媛新聞]
http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20140216/news20140216972.html

>>県が“がんサポーター”に手引書 心構えや注意点/岐阜県[2月14日、中日新聞]
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20140214/CK2014021402000015.html

>>がん検診受診向上へ条例案 神戸市会4会派共同提案へ[2月13日、神戸新聞]
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201402/0006704513.shtml

>>がん体験者の授業、熊谷市が新年度実施 検診受診率向上目指す[2月12日、埼玉新聞]
http://www.saitama-np.co.jp/news/2014/02/12/08.html

>>がん患者支える心構え紹介 県がサポーター向け冊子[2月11日、岐阜新聞]
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20140211/201402111100_21938.shtml

※がん対策関連のニュースは下記にまとめて掲載しております。
http://ganseisaku.net/newsclip.html


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マガジンを配信しております。
配信の停止をご希望の方は、下記事務局まで、連絡してください。
今後とも当機構の活動へのご支援を何とぞよろしくお願い申し上げます。

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がん政策レター 2014/02/18(第114号)

発行所	   :日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
発行人/編集長:埴岡 健一

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