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[がん政策レター 2014/03/18(第116号)]新年度がやってくる今、所属団体の2014年度計画のことを考える

配信日付:2014年03月18日


━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2014/03/18(第116号)
■□   がん政策レター   □■  日本医療政策機構 市民医療協議会
━━━━━━━━━━━━━━━━━━ がん政策情報センター

がん政策レターでは、各地の「がん患者アドボケート」による活動やがん対策
の好事例を紹介し、がん医療の“均てん化”を目指します。

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[1] センター長コラム
[2] がん対策レポート
[3] インフォメーション
[4] がん対策トピックス
[5] がん対策ニュース


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[1] センター長コラム

● 新年度がやってくる今、所属団体の2014年度計画のことを考える

 年度末でひときわあわただしくお過ごしのことと思います。2014年度が間も
なく始まります。みなさんが所属される患者団体、支援団体などの組織におい
ても、会計の年度を4月から3月にしているところが大半でしょう。だとしたら、
もう来年度の事業計画(と予算)の策定を終えられたところでしょうし、理事
会などによる承認作業を終えられたところも多いだろうと推察します。私たち
市民医療協議会も、そうです。事業計画の策定時期には、毎年、もっと良いも
のにできないかと悩まされ、常に学びのプロセスと実感させられます。今日は、
患者アドボカシーカレッジのコンテンツから、事業計画の策定や改善に活用で
きそうなところを探ってみます。

 患者アドボカシーカレッジの第4章「団体運営のときに」は、まさに組織の
マネジメントに関する部分で、この中にある10項目に、事業計画改善に役立つ
ところが見つかるかもしれません。まず、参照いただきたいのが「4-1 ミッ
ション」の項です。あなたの組織は、ミッションを設定しているでしょうか。
ミッションの文のイメージをつかむために2つ例をあげておきます。

○「世界中で、子どもたちとの向き合い方に画期的な変化を起こし、子どもた
ちの生活に迅速かつ永続的な変化をもたらします」(セーブ・ザ・チルドレン)
○「患者・市民が政策立案プロセスを主導することにより、最上の医療を社会
全般に実現すること」(市民医療協議会)

 ミッションは、その団体の果たすべき社会的使命であり、団体運営の羅針盤
です。事業計画を策定する際は、常にミッションに合致しているかを問いかけ
る必要がありますし、ミッションの達成に向けて活動を組み立てるという意識
を持つことが、よい事業計画を策定するポイントとされています。

 事業計画の策定のために、「4-2 事業計画書」というそのものズバリの項
目があります。ここでは事業計画書の意味、作り方のポイント、構成例などが
書いてあります。事業計画書は、ごく簡単に言うと、「何のために何を目指し
て何を目標にどんな資源を使ってどんな活動をするのか」を書いた文書です。
会員、寄付者、スタッフなど関係各者との合意書の意味合いもあります。事業
計画書をきっちり作っておくと、活動の遂行がスムーズになる効果が期待でき
ます。そのためにはアウトカム(成果)目標を設定しておくのも重要です。ミ
ッション、事業計画上の活動目的、アウトカム目標、活動内容が、同じ方向を
目指して一直線に並んでいるのが、良い計画の一要件といえるでしょう。

 組織の活動内容を深める議論をする際には、第1章「アドボカシー活動のと
きに」をご活用ください。1枚の「戦略プラン策定シート」を埋めることで、
活動が格段に力強くなり成果も高まることが期待できます。このシートには、
「ステップ1:社会課題の抽出」「ステップ2:情報の収集と分析」「ステップ
3:目標の設定」「ステップ4:対象の特定」「ステップ5:必要資源の確保」
「ステップ6:連携相手の特定」「ステップ7:戦術の設定」「ステップ8:成
果の評価」の8つの記入欄があります。このシートを埋めるにつれて、「誰を
対象にどんな活動をすることが最も目的の達成に近道で効果的か」が、浮き彫
りになってきます。こうした作業をすることで、年間活動計画の修正点や予算
配分の変更点が見つかることもあるでしょう。

 実は、県などの医療政策における計画と予算を策定・評価することと、自分
たちの組織の活動の計画と予算を策定・評価することは、とても似た営みです。
ですから、行政の施策について書かれた、第3章「政策立案と評価のときに」
にある5項目も、あなたの組織の事業計画の策定に役立つ部分がたくさんある
でしょう。この章には、「PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを働かせ
る」「設定した目標を達成する方向に向かっているか評価する」「ロジック(論
理)モデルを使って目標達成に向けた施策(活動)を吟味する」「目標につい
て適切な指標を設定する」などが含まれています。

 第4章「団体運営のときに」には、先にあげた2つ以外にも多くの項目があり
ます。「4-3 ファンドレイジング(資金調達)」「4-5 広報」などは組織力
や運営力の強化に大いに関係します。「4-4 利益相反(COI)管理」は医療者
や企業関係者と協業するために必ず理解しておきたい内容です。提案力を増す
ために「4-10 アンケート調査」を参考に、調査を実施してはどうでしょうか。

 私たちアドボケート関係者は、行政の計画と予算について吟味したり意見を
述べることが多いわけですが、わが身を振り返ってみれば、自分たちの計画と
予算がしっかりしたものになっているかとの問い掛けがされることになります。
特に寄付金や助成金を受けている場合は、そうです。

 市民医療協議会では数年前、海外ファンドから寄付をいただいた際に、「活
動計画に関するロジックモデルを策定し、PDCAサイクル管理をすること」につ
いて、米国の大学からたくさんの研修と指導を受けました。当初は、とても難
しく感じましたが、だんだん分かってきたような気もします。活動のアウトカ
ム(成果)、ロジックモデル、PDCA管理を意識することで、活動が散漫になら
ずに優先事項により集中できる実感はあります。また、われわれの活動の参加
者、寄付者、協力者への説明が明快にできるようになってくるような感触もあ
ります。ただ、同時に常に試行錯誤だとも感じさせられます。事業計画や予算
の策定にはたった一つの正解があるわけではなく、考えて議論しまとめるプロ
セス自体からの学びも重要なのかもしれません。

 患者アドボカシーカレッジのコンテンツを参考にして、改めて自分たちの活
動計画と予算を新鮮な目で見直す機会を作ることができます。見出したコツが
あれば、ぜひ共有してください。(センター長 埴岡健一)

参考サイト

>>患者アドボカシーカレッジ
http://advocacy-college.net/
>>がん政策情報センターとは
http://ganseisaku.net/about.html


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[2] がん対策レポート

今回はお休みさせていただきます。
次号をお楽しみに。


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[3] インフォメーション

今回はお休みさせていただきます。
次号をお楽しみに。


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[4] がん対策トピックス

>>がん対策〔3月17日更新、奈良県〕
http://www.pref.nara.jp/21332.htm

>>ぎふがんねっと〔3月13日更新、岐阜県〕
http://gifugan.net/

>>しまねのがん対策〔3月13日更新、島根県〕
http://www.shimane-gan.jp/index.html

>>がんに関するイベントのお知らせ〔3月10日更新、千葉県〕
http://www.pref.chiba.lg.jp/kenzu/event/ganevent.html

>>広島がんネット〔3月10日更新、広島県〕
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/gan-net/

>>がん情報みやぎ〔3月7日更新、宮城県〕
http://cancer-miyagi.jp/

>>京都府小児がん拠点病院連携シンポジウムを開催します〔3月7日更新、京都府〕
http://www.pref.kyoto.jp/gan/news/syounigansinpojiumu.html

>>鹿児島県のがん患者会一覧〔3月6日更新、鹿児島県〕
http://www.pref.kagoshima.jp/ae06/gankanzyakai.html

>>【3月5日】第2期の群馬県がんピアサポーターが誕生します(保健予防課)〔3月5日更新、群馬県〕
http://www.pref.gunma.jp/houdou/d3000083.html


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[5] がん対策ニュース

>>がんでも安心できる社会を 患者経験者 宇都宮で16日集会[3月13日、下野新聞]
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20140313/1531035

>>「地域支援病院」目指す/高松市民病院[3月12日、四国新聞]
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/administration/20140312000142

>>緩和ケアセンター設置へ 兵庫県立がんセンター[3月6日、神戸新聞]
http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201403/0006758603.shtml

>>企業の手法 検診へ手招き...心理を研究、受診率向上[3月6日、読売新聞]
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=94112

>>本県、全国との差拡大/がん年齢調整死亡率/青森県[3月4日、陸奥新報]
http://www.mutusinpou.co.jp/news/2014/03/30342.html

※がん対策関連のニュースは下記にまとめて掲載しております。
http://ganseisaku.net/newsclip.html


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日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センターでは定期的にメール
マガジンを配信しております。
配信の停止をご希望の方は、下記事務局まで、連絡してください。
今後とも当機構の活動へのご支援を何とぞよろしくお願い申し上げます。

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がん政策レター 2014/03/18(第116号)

発行所	   :日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
発行人/編集長:埴岡 健一

住所	   :〒102-0083 東京都千代田区麹町2-10-10-101
Tel	   :03-3222-6532
Fax	   :03-3222-6535
E-mail	   :gan_newsletter@hgpi.org
Web	   :http://ganseisaku.net/
	    http://www.shimin-iryou.org/

Copyright(c) 2014 日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
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