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[がん政策レター 2010/6/01 (第18号)] 「患者参画の価値」国・疾病を超えて患者の役割を問う、国際会議参加レポート

配信日付:2010年06月01日

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■□   がん政策レター   □■         日本医療政策機構 市民医療協議会
――――――――――――――――――        がん政策情報センター
             https://shimin-iryou.org/cchmanage/cchMailMagazineContentMain.do/impact/mailmagazine/gan_/0018.txt?ajax=#ui-tabs-3   
がん政策レターでは、各地の「がん患者アドボケート」による活動やがん対策の好
事例を紹介し、がん医療の“均てん化”を目指します。

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■今週のレター■

[1]センター長コラム
[2]がん対策レポート
[3]インフォメーション
[4]がん対策トピックス
[5]がん対策ニュース

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[1]センター長コラム

●がん対策5カ年計画の中間報告から、今後を考える

 5月28日、厚生労働省の第13回がん対策推進協議会(以下、協議会)が開催さ
れ、委員である私も出席をしてきました。今回は、「がん対策推進基本計画(以下、
基本計画)」の中間報告書の審議というとりわけ重要な議題でした。

 基本計画は2007年度からの5カ年であり、いま3年度が終わったところで、中間
報告書を作成しているのです。これまでを振り返り今後につなげるということで、
中間報告書を作成すること自体は素晴らしいと思います。ただし、問題は内容です。
28日の会議では35ページ(本文)の案が示されましたが、根本的なことを含めて委
員からたくさんの疑問が投げかけられました。素案や最終版は順次、厚生労働省の
ウェブサイトで公表されますので、ぜひ、みなさんも読んで考えてみてください。
課題は次のようなことです。

 第1に、策定プロセスと方法です。事務局である厚生労働省がん対策推進室が作成
した素案に対し、各委員に何度か書面で意見の提出を求め、それを加味して作られま
した。論点を抽出したり、議論を深めたり、評価をしたり、戦略を立てたりといっ
たことはほとんどなく、「事務局案+委員の意見集」に近いかたちになっています。

 第2に、改善が担保されていない点です。委員から出た多くの意見は、「今後の課
題」として分野別に合計75段落にわたって列挙されました。しかし、ほとんどの語
尾が「~との意見がある」「~との指摘もあった」となっています。けっして、問
題の解消のために前向きに取り組むと位置付けているわけではないのです。

 第3に、目標設定と達成度の考え方の問題です。基本計画は「相談支援と情報提
供」「医療機関の整備」など10の分野に関してそれぞれ目標を設定しました。しか
し、その目標は「外形的」なもので、目的の達成という観点からの「成果(アウト
カム)」を測るものにはなっていなかったのです。例えば、相談支援センターにつ
いては、開設数という「外形」が目標で、患者さんの悩みをどれだけ解消するかと
いう「アウトカム」を問うてはいなかったのです。

 次期計画に盛り込むべきこととして、●分野別にできるだけアウトカム目標を設
定する●データやニーズによる根拠が示せる施策を重視する●省庁の間、国や地域
の間、行政や医療提供者など立場の間にある壁をとり払う●絵に描いた餅にならな
いよう行動計画(アクションプラン)的な計画とする――などが考えられます。こ
れらを取り込むためには、たくさんの調査と議論が必要です。協議会としてすぐに
準備を始めることが大切となるでしょう。

 中間報告書以外の話題としては、提案書取りまとめワーキンググループが活動を
継続することが確認されました。また、新たにがん研究に関しても別途、ワーキン
ググループが立ちあがることになりました。そして、2009年度は協議会の開催は3
回でしたが、10年は4回以上開かれる可能性もあることが分かりました。引き続き、
協議会の活動に注目をお願いします。(センター長 埴岡 健一)

■参考サイト
>>がん対策推進協議会
http://www.mhlw.go.jp/shingi/gan.html

>>がん対策推進協議会提案書取りまとめワーキンググループ
http://www.gan-working.net/

>>第12回がん対策推進協議会レポート
http://ganseisaku.net/practices/reports/domestic/gan_kyougikai/12.html


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[2]がん対策レポート

●「患者参画の価値」国・疾病を超えて患者の役割を問う〔IAPO「国際患者会議」
参加レポート〕

 2010年2月にイスタンブール(トルコ共和国)で開催された、国際患者団体連合
(International Alliance of Patients’ Organizations)主催の国際患者会議
(Global Patients Congress)には、「患者参画とは何か」その答えを求めて、世
界各国から100人を超える患者アドボケートが集まりました。3日間にわたる会議
の模様を市民医療協議会の沢口がお伝えします。

>>IAPO「国際患者会議」参加レポート
http://shimin-iryou.org/impact/training/advocacy/iapo.html

■参考サイト
>>IAPO(英語サイト)
http://www.patientsorganizations.org/index.pl

>>IAPO 4th Global Congress(英語サイト)
http://www.patientsorganizations.org/congress2010


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[3]インフォメーション

●「地域発:がん対策市民協働プログラム」大阪プロジェクトよりお知らせ

 桃山学院大学が開催するイベント「府民に届け!大阪ならではのがん情報」にて、
大阪プロジェクトが講演会・ワークショップを行います。2010年2月に公開されたが
ん情報検索サイト「よくわかる!大阪のがん診療NOW」は、どう改良されているか、
実際に体験していただきます。ぜひご覧ください。

対象:一般
日時:6月5日(土)10時00分
会場:桃山学院大学ハイヴィジョンシアター
      http://www.andrew.ac.jp/access/
参加費:無料

>>大阪プロジェクトのページ
http://ganseisaku.net/impact/gan_coproduction/2010/osaka/osaka.html


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[4]がん対策トピックス

●がん対策関連情報

>>しまねのがん対策(島根県、5月29日更新)
http://www.shimane-gan.jp/index.html

>>みやぎのがん情報ポータルサイト(宮城県、5月26日更新)
http://www.pref.miyagi.jp/situkan/gan-portal/top.html


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[5]がん対策ニュース

>>四国がん対策連携協議会:香川にないから高知へ相談〔毎日新聞、5月23日〕
http://mainichi.jp/area/kagawa/news/20100523ddlk37040408000c.html

>>高額療養費「負担額引き下げを」 がん患者団体が要望〔朝日新聞、5月21日〕
http://www.asahi.com/national/update/0521/TKY201005210383.html

>>がん対策条例制定へ機運 患者の声映し24条〔沖縄タイムス、5月21日〕
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-05-21_6650/

>>卵巣がん関連の診断群5分類を出来高に〔医療・介護情報CBニュース、5月20日〕
http://friends.excite.co.jp/News/society/20100520/Cabrain_27702.html

>>がん患者の相談体制充実 県条例、超党派議員提案へ〔岐阜新聞、5月19日〕
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20100519/201005190842_10717.shtml

>>ひと:桜井なおみさん がん経験者の就労問題に取り組む〔毎日新聞、5月18日〕
http://mainichi.jp/select/opinion/hito/news/20100518k0000m070116000c.html


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前回(第17号)の送信時間の誤送信とお詫び

 がん政策レター第17号(2010年5月17日配信)は送信日予定の前日に送信して
しまいましたことをお詫び申し上げます。正しくは、隔週火曜日配信です。ご
迷惑をおかけした読者の皆さまへ深くお詫び申し上げます。

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日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センターでは定期的にメール
マガジンを配信しております。
配信の停止をご希望の方は、下記事務局まで、連絡してください。
今後とも当機構の活動へのご支援を何とぞよろしくお願い申し上げます。

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がん政策レター 2010年6月1日号(第18号)

発行所	:日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
発行人	:埴岡 健一
編集長	:湯澤 敦子 グレイス

住所	:〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町2-5-3
Tel	:03-5614-7796
Fax	:03-5614-7795
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Copyright(c) 2010 日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
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