配信日付:2010年06月29日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ―――――――――――――――――― 2010/6/29(第20号) ■□ がん政策レター □■ 日本医療政策機構 市民医療協議会 ―――――――――――――――――― がん政策情報センター がん政策レターでは、各地の「がん患者アドボケート」による活動やがん対策の好 事例を紹介し、がん医療の“均てん化”を目指します。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■今週のレター■ [1]センター長コラム [2]がん対策レポート [3]インフォメーション [4]がん対策トピックス [5]がん対策ニュース ―――――――――――――――――――― [1]センター長コラム ●参議院議員選挙戦と、ワールドカップのシュート決定力 今日は3つの話題を提供いたしましょう。 参議院選挙まっただなかとなりました。みなさんは各政党のマニフェストに目を通 しましたか。がん対策に関心があるあなたなら、がん対策についてどのような記載が されているかチェックしてみてはどうでしょう。がんナビに、各党のマニフェストを 比較した記事を掲載しましたので、ぜひお読みください。それぞれの候補者も自分の マニフェストを打ち出していますから、そちらも要チェックです。しっかり書いてあ るところ、触れてさえいないところ、記述の格差に驚かれるかも知れません。『医療 政策は選挙で変える』(権丈善一 著)というタイトルの本もありますが、選挙の際 のマニフェストにある医療政策・がん対策を考慮に入れた投票行動がなされること は、あってしかるべきことでしょう。もし、あなたが支持している政党や候補者が十 分にがん対策に力を入れていないと感じたら、選挙戦中にその気持ちを伝えて、優先 度を上げる約束を取りつけておくことが重要です。 6月23日、鳥取県議会で「鳥取県がん対策推進条例」が成立しました。県単位では 全国で9番目の条例となりますが、ひとつユニークな点があります。第15条に「県民 運動」に関する条項があり、「県は、がん患者又はがん患者であった者が、がんに罹 患し、又は罹患していたことを理由として、いかなる不利益な取扱いも受けることの ない社会の実現に向けての気運が醸成されるよう、普及啓発その他必要な施策を講ず るものとする」とあります。例えば、がん経験者が職を失うような状況が少なくなる 地域になっていく効果が期待されます。現在、がん対策条例を審議中、検討中の県は たくさんあります。これからの仕上がりを見るのが楽しみです。 6月24日は、札幌で開催された日本乳癌学会の「がん専門医とチーム医療のあり 方」に関するシンポジウムに参加してきました。受けた印象は、チーム医療が進んだ 医療現場も出てきたものの、それがまだ日本中に広がってはいないということです。 このシンポジムの中で「患者が望むチーム医療」との題でミニ講演をしました。医療 現場の多職種による「プロチーム」、がん経験者などの仲間やボランティアなどの 「ピアチーム」、患者・医療提供者・立法府・行政・民間・メディアなど六位一体で がん対策の環境整備をする「社会チーム」。これら3点をともに伸ばしていくことが 大切ではないかというお話を、「がん患者が求めるがん対策~1600人のがん患者意識 調査~」の結果を踏まえてさせていただきました。そして、取り組むべき施策の例も 取り上げました。 ワールドカップサッカーの日本チームは、対デンマーク戦で3点を入れて快勝し決 勝トーナメントに進みました。きれいなゲームをしながらも得点する決定力に欠ける ことが多い日本チームですが、今回は見事に結果につながりました。がん対策も、議 論や提案だけに留まらず、実際に患者が受ける医療が変わる決定力ある対策を、速や かに実行することが重要だと改めて思いました。 (センター長 埴岡 健一) ■参考サイト >>参院選、各党マニュフェストのがん対策を見比べよう(がんナビ) http://cancernavi.nikkeibp.co.jp/report/100623_01.html >>鳥取県がん対策推進条例案 http://www.pref.tottori.lg.jp/secure/512793/20100623_fu_fukushi_shiryou.pdf >>各地のがん対策条例 http://ganseisaku.net/practices/archives/law/gan_local.html >>がん患者が求めるがん対策~1600人のがん患者意識調査~ 報告書 http://ganseisaku.net/impact/reports/gan_ishiki_2009/ ―――――――――――――――――――― [2]がん対策レポート 今回はがん対策レポートをお休みさせていただきます。 次回をお楽しみに。 ―――――――――――――――――――― [3]インフォメーション ●「地域発:がん対策市民協働プログラム」静岡プロジェクトよりお知らせ 静岡プロジェクト「子育て世代の女性特有がん 検診受診率向上プロジェクト」で は、学習講座『ぴっぴの家庭の医学 ~専門家編~』を開催します。 助産師・保健師・看護師の方などを対象に、乳がん検診を通じて、子育て中の母 親やその家族の健康管理の方法を、母親たちの視線で学びます。 対 象:助産師・保健師・看護師など専門家の方 日 時:7月2日(金)19時00分~21時00分 会 場:浜松市子育て情報センター 講 師:吉田 雅行氏(聖隷浜松病院 乳腺科部長) 参加費:無料 >>参加の申し込みや、詳細については下記ページをご参照ください。 http://npo.hamamatsu-pippi.net/project/ganpro/kateinoigaku.html >>「子育て世代の女性特有がん 検診受診率向上プロジェクト」のページ http://ganseisaku.net/impact/gan_coproduction/2010/shizuoka/shizuoka.html ●「地域発:がん対策市民協働プログラム」全国プロジェクトよりお知らせ 全国プロジェクト「働き世代のがん患者・体験者に対する就労・雇用支援プロジ ェクト」では、就労問題フォーラム「がんと一緒に働こうin神戸~治療を続けなが ら働くコツ~」を開催します。 働き盛りのがん経験者が遭遇する心の問題に焦点をあて、様々なステークホルダー が「がんのメンタルヘルス」についてディスカッションを行います。 対 象:一般 日 時:7月4日(日)13時00分~16時15分 会 場:日本イーライリリー本社1Fセミナールーム(最寄駅:三宮) 参加費:1,500円(当日テキスト代含む) >>参加の申し込みや、詳細については下記ページをご参照ください。 http://cancernet.jp/csr/A4CSR_0704.pdf >>「働き世代のがん患者・体験者に対する就労・雇用支援プロジェクト」のページ http://ganseisaku.net/impact/gan_coproduction/2010/zenkoku/zenkoku.html ●日本医療政策機構 がん政策情報センター寄稿のレポートが Vol.6(がんナビ通 信)に掲載されました >>http://cancernavi.nikkeibp.co.jp/report/100623_01.html ●第29回朝食会開催のご案内 千葉大学教授で当機構理事の広井良典氏にお越しいただき、定例朝食会を開催しま す。社会保障や福祉社会の在り方、都市やコミュニティが果たすべき役割など、広い 視野からお話をいただきます。皆様のご参加を心よりお待ちいたしております。 日 時:7月28日(水)8時00分~9時00分 会 場:WIRED CAFE(日本橋三井タワー2階) スピーカー:広井 良典 氏(千葉大学教授/当機構理事) タイトル :コミュニティとこれからの日本社会~都市・社会保障・科学 >>参加の申し込みは下記ページをご参照ください(7月23日(金)まで) http://www.healthpolicy-institute.org/report_events.html?article=134 ―――――――――――――――――――― [4]がん対策トピックス ●がん対策関連情報 >>がん対策推進基本計画中間報告書の公表について http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=152605 >>完成版の患者必携を「患者必携」に掲載しました(がん情報サービス、6月17日掲載) http://ganjoho.ncc.go.jp/public/qa_links/hikkei/index.html >>「島根県がん対策推進計画アクションプラン」(第2版)を掲載しました(島根県、6月24日掲載) http://www.shimane-gan.jp/index.html >>鳥取県がん対策推進条例案(鳥取県、6月23日掲載) http://www.pref.tottori.lg.jp/secure/512793/20100623_fu_fukushi_shiryou.pdf >>新潟県たばこ対策推進協議会の委員を公募します(新潟県、6月21日掲載) http://www.pref.niigata.lg.jp/kenko/1276642903152.html ―――――――――――――――――――― [5]がん対策ニュース >>「がん対策推進条例」全会一致で可決 鳥取県議会〔日本海新聞、6月24日〕 http://www.nnn.co.jp/news/100624/20100624004.html >>女性のたばこ被害防げ WHOがキャンペーン〔共同通信、6月22日〕 http://www.47news.jp/feature/medical/2010/06/post-352.html >>がん患者、就労テーマに 来月4日、神戸・中央区で/兵庫〔毎日新聞、6月20日〕 http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20100620ddlk28040208000c.html >>日の出町、がん医療費を無料化〔産経新聞、6月19日〕 http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/tokyo/100619/tky1006191848004-n1.htm >>患者や家族支えよう 秋田市で「がん ささえ愛の日」〔秋田魁新聞、6月19日〕 http://www.sakigake.jp/p/akita/topics.jsp?kc=20100619j >>補正など15議案上程 県議会開会〔岐阜新聞、6月16日〕 http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20100616/201006160919_10934.shtml >>がん死亡3年で6%減 未成年喫煙ゼロは未達成〔共同通信、6月15日〕 http://www.47news.jp/CN/201006/CN2010061501001011.html >>支援改善など討論 県がん対策ミーティング〔琉球新報、6月14日〕 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-163483-storytopic-1.html >>条例に患者視点反映 県がん診療連携協議会、修正案提出〔琉球新報、6月12日〕 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-163412-storytopic-1.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センターでは定期的にメール マガジンを配信しております。 配信の停止をご希望の方は、下記事務局まで、連絡してください。 今後とも当機構の活動へのご支援を何とぞよろしくお願い申し上げます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ がん政策レター 2010年6月29日号(第20号) 発行所 :日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター 発行人 :埴岡 健一 編集長 :湯澤 敦子 グレイス 住所 :〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町2-5-3 Tel :03-5614-7796 Fax :03-5614-7795 E-mail:gan_newsletter@healthpolicy-institute.org Web :http://ganseisaku.net/ http://www.shimin-iryou.org/ Copyright(c) 2010 日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●がん政策レターを購読ご希望の方は下記アドレスに連絡ください。 gan_newsletter@healthpolicy-institute.org ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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