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[がん政策レター 2010/09/21(第26号)]世界会議の場で、がん対策の最新動向を学ぶ

配信日付:2010年09月21日

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2010/9/21(第26号)
■□   がん政策レター   □■  日本医療政策機構 市民医療協議会
━━━━━━━━━━━━━━━━━━ がん政策情報センター

がん政策レターでは、各地の「がん患者アドボケート」による活動やがん対策の
好事例を紹介し、がん医療の“均てん化”を目指します。

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◆ システム変更により、第22号から配信元アドレスが変更になりました。 ◆

■今週のレター■

[1]センター長コラム
[2]がん対策レポート
[3]インフォメーション
[4]がん対策トピックス
[5]がん対策ニュース

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[1]センター長コラム

●地元のがん拠点病院の充実度を自分で調べてみよう

 地域のがん治療の中核を担う「がん診療連携拠点病院(以下、拠点病院)」といっ
ても、その充実度は大いに異なります。今回は、みなさんの地元の拠点病院の状況を
チェックしてみましょう。各地を訪問して講演をする機会も多いのですが、その際、
できるだけ、地元の拠点病院の専門スタッフ数をグラフにしてお見せするようにして
います。すると、「そんなに差があるのとは知らなかった。びっくりした」といった
反応が返ってきます。

 まず、病院ごとの「がん薬物療法専門医」「がん治療認定医」「放射線治療専門
医」の数を示すようにしています。「薬物療法専門医」は抗がん剤のプロですが、一
人いればよい方で、一人もいない病院が大半です。「がん治療認定医」は20人のとこ
ろもあれば、ゼロのところもあります。「放射線治療専門医」は3人程度のところも
ありますが、まだゼロのところも少なくありません。

 肺がん、胃がん、大腸がん、肝臓がん、乳がんの5種類のがんに関する治療件数も
分かります。同時に、それぞれのがんを治療する際に重要となる専門スタッフの数も
知ることができます。治療件数については、施設の間で大きな差があることが歴然で
す。件数が少ないところは治療の質が維持できているのか関心が生まれます。特定の
がんの種類の治療件数の多さと、そのがんの治療に関する専門スタッフの数が、必ず
しも比例していないことも興味深い点です。

 胃がんや大腸がんの手術方法が、病院によってかなり異なっていることも明らかで
す。開腹手術を中心としつつ腹腔鏡手術も取り入れているとこもあれば、ほとんどが
腹腔鏡手術となっているところもあります。妥当な手術方法の選択になっているの
か、聞いてみることも大切かも知れません。放射線治療に関しても、治療方法の違い
が顕著に現れます。“ピンポイント照射”(腫瘍に狙いを定めて集中的に放射線を当
てる方法)ができる強度変調放射線治療(IMRT)を取り入れているところは、県で一
カ所ぐらいに過ぎませんし、定位照射を行っている施設もまだまだ少ないというのが
現状です。

 このような地元の病院同士の横比較はどのようにすればできるのでしょうか。実
は、それぞれのがん拠点病院についてたくさんの情報が公開されています。国立がん
研究センターの「がん情報サービス」のサイトから、「病院を探す」のメニューの
「がん診療連携拠点病院を地域別一覧から探す」を選び、ここからそれぞれの病院の
情報のページに進みます。病院ごとに「指定要件に関する情報1」というファイルが
あります。それを開くと、さきほどあげた情報が記載されているのです。10の病院を
比較したければ、病院別に10のファイルを開き、自分でその項目の値を手元のメモな
どに転記していきます。手間がかかりますが、とても大切な情報で、やるだけの意味
はあるでしょう。治療する病院を選択する際にも役立つ情報が満載されています。

 また、地域の医療体制の現況が“見える化”できるので、今後の整備の方向を考え
るときのヒントにも満ちています。たとえば、地域内で少数の症例を少数の専門ス
タッフで治療している病院が複数ある場合、1つの施設に症例を集約させることも選
択肢のひとつとなりえます。こうしたデータを見ながら、地域の医療提供者、行政、
患者が一緒になって地域の将来ビジョンを語り合うことが、大切ではないでしょう
か。 (センター長 埴岡 健一)

■参考サイト

>>がん診療連携拠点病院を地域別一覧から探す
http://hospdb.ganjoho.jp/kyotendb.nsf/fKyotenByoinIchiran?OpenForm


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[2]がん対策レポート

●世界会議の場で、がん対策の最新動向を学ぶ

 2010年8月、シンセン(中国)において、国際対がん連合(UICC)主催の世界がん会
議(2010 world cancer congress)が開催され、世界92カ国から3000人を超える来
場者が集まりました。本会のテーマである「予防可能なことを予防し、治療可能なこ
とを治療する~その仕組みの実現に向けて~」を目指し、世界中のがん対策関係者
が、日頃の研究成果や好事例を発表のうえ、熱い議論を交わしました。市民医療協議
会では、本会議に参加し学習する機会として「UICC研修ツアー」を実施いたしまし
た。市民医療協議会の杉山がその模様をレポートします。

>>UICC(国際対がん連合)「国際がん会議」参加レポート
http://ganseisaku.net/impact/training/advocacy/uicc.html

●今、求められているがん患者支援とは?解決策を動かそう

 今、求められているがん患者支援とはいったいどんなものでしょうか。がん患者
は、どんなとき、どんなことを必要としているのでしょうか。地域社会において、が
ん患者のニーズを反映した支援は、まだまだ不足しています。「愛知発:ピアサポー
トプロジェクト~がん患者支援プログラムの普及と展開~」(代表:寺田佐代子さ
ん)では、がん患者のニーズを聞いて問題の解決策を見いだすことを目的に、
「Well being フォーラム in 愛知」を2010年8月1日に開催しました。会場の参加
者は137人にのぼり、がん患者が地域で安心して暮らすためにどんな支援が必要か、
参加者といっしょに考えました。

>>愛知発:ピアサポートプロジェクト~がん患者支援プログラムの普及と展開~」参
加レポート
http://ganseisaku.net/impact/gan_coproduction/reports/20100801.html

>>「愛知プロジェクト~がん患者支援プログラムの普及と展開~」のページ
http://ganseisaku.net/impact/gan_coproduction/2010/aichi/p1/p1.html


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[3]インフォメーション

●がん政策レターの再登録のお願い

 がん政策情報センターでは、ウェヴサイトのリニューアルオープンに伴い、がん政
策レター(メールマガジン)システムを8月に変更いたしました。大変恐縮ですが、
新システムで登録をされていない方がいらっしゃいましたら、お手数ですが再度登録
をお願いいたします。なお、再度ご登録をいただかない場合は、2010年11月より配信
されなくなりますので、お早めにお願いいたします。
 
 今後も皆さまの活動にお役に立つ情報をお届けすると同時に、当センターの活動内
容もお伝えしていく予定です。ぜひ、がん対策に取り組むお知り合いの方々にも、購
読を勧めていただけましたら幸いです。

>>がん政策レター 購読登録ページ
https://shimin-iryou.org/plugins/cch/mailmagazine/index.html

>>がん政策レター バックナンバー
http://ganseisaku.net/impact/mailmagazine/gan_/


●がん政策サミット2010秋よりお知らせ

 患者関係委員不在の都道府県等における公募の実施についてのお知らせをアップしました。

>>がん政策サミット秋2010~地域の条例と予算を動かす~
http://ganseisaku.net/impact/events/gan_summit/


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[4]がん対策トピックス

●「都道府県別がん死亡率」を掲載しました

 2007・2008年都道府県別のがん死亡率を掲載しました。数年間のデータを比較する
ことで、自分が住んでいる地域の死亡率の状況を知って、アドボカシー活動に役立て
てください。
 
>>死亡率(2008年の横に表示されている三角をクリックすると前年のデータが表示さ
れます)
http://ganseisaku.net/gap/data/gan/prefectures/shibouritsu/all/

※格差データのコーナーでは、死亡率(部位別含む)・死亡改善率・検診受診率・医
療資源などの情報を都道府県別に掲載しております。
http://ganseisaku.net/gap/data/gan/


●がん対策関連情報

>>診療報酬調査専門組織(DPC評価分科会)の開催について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000jv6f.html

>>行政事業レビュー 対象事業のレビューシート
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=155493

上から4事業のレビューシート
 302がん診療施設情報ネットワーク事業費
 http://www.mhlw.go.jp/seisaku/jigyo_siwake/dl_rv3/302a.pdf

 303がん診療連携拠点病院機能強化事業費等
 http://www.mhlw.go.jp/seisaku/jigyo_siwake/dl_rv3/303a.pdf

 304女性特有のがん検診推進事業費等
 http://www.mhlw.go.jp/seisaku/jigyo_siwake/dl_rv3/304a.pdf

 305がん専門医臨床研修モデル事業費
 http://www.mhlw.go.jp/seisaku/jigyo_siwake/dl_rv3/305a.pdf

>>「平成22年度がん検診50%達成に向けた体験談コンテスト」について
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=155347

>>山梨のがん情報(山梨県、9月15日更新)
http://www.pref.yamanashi.jp/kenko-zsn/seizinhoken/ganjyouhou.html

>>「乳がん予防ピンクリボンキャンペーン2010」~聴覚障害者マンモグラフィの受診
希望者を募集します~(佐賀県、9月14日掲載)
http://www.pref.saga.lg.jp/web/kurashi/_1019/ki-osirase/_48839.html

>>がんに関するイベント情報を更新しました。(北海道、9月13日更新)
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/kak/gantaisakujyouhou

>>長岡保健所 生活習慣改善によるがん予防法の研究(新潟県、9月10日更新)
http://www.pref.niigata.lg.jp/nagaoka_kenkou/1279652458518.html

>>みやぎのがん情報ポータルサイト(宮城県、9月9日更新)
http://www.pref.miyagi.jp/situkan/gan-portal/top.html

>>しまねのがん対策(島根県、9月13日更新)
http://www.shimane-gan.jp/index.html

>>10月はがん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン月間です(徳島県、9
月9日掲載)
http://www.pref.tokushima.jp/docs/2010082400085/

>>市町村がん検診情報について(福岡県、9月9日掲載)
http://www.pref.fukuoka.lg.jp/b01/gankenshinjohou.html


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[5]がん対策ニュース

>>国立がん研究センター、15日から電話相談窓口〔読売新聞、9月14日〕
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100914-OYT1T01090.htm

>>子宮頸がんワクチン「対象絞り無料化を」〔医療介護CBニュース、9月14日〕
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100914-00000001-cbn-soci

>>緊急対策 総額25億円、京都府9月補正〔京都新聞、9月14日〕
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20100914000158

>>9月補正予算案一般会計、公共事業柱に116億円〔毎日新聞、9月14日〕
http://mainichi.jp/area/tokushima/news/20100914ddlk36010571000c.html

>>がん患者リハビリ施設 松阪市民病院〔朝日新聞、9月14日〕
http://mytown.asahi.com/mie/news.php?k_id=25000001009140001

>>がん患者の悩み、治療段階などで違い〔医療介護CBニュース、9月13日〕
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100913-00000006-cbn-soci

>>在宅ホスピス成功例を全国へ看取り率高い医師ら奮闘〔産経新聞、9月10日〕
http://sankei.jp.msn.com/life/body/100910/bdy1009102020006-n1.htm

>>海外発売の新薬、国内承認を迅速化〔フジサンケイビジネスアイ、9月8日〕
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100907-00000030-fsi-bus_all

>>日曜外来で早期発見に成果 国立がん研究センター東病院〔朝日新聞、9月8日〕
http://mytown.asahi.com/areanews/chiba/TKY201009070502.html


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日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センターでは定期的にメール
マガジンを配信しております。
配信の停止をご希望の方は、下記事務局まで、連絡してください。
今後とも当機構の活動へのご支援を何とぞよろしくお願い申し上げます。

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がん政策レター 2010年9月21日号(第26号)

発行所	:日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
発行人	:埴岡 健一
編集長	:湯澤 敦子 グレイス

住所	:〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町2-5-3
Tel	:03-5614-7796
Fax	:03-5614-7795
E-mail	:gan_newsletter@healthpolicy-institute.org
Web	:http://ganseisaku.net/
	 http://www.shimin-iryou.org/

Copyright(c) 2010 日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
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