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[がん政策レター 2010/11/02(第29号)]第2期がん計画の作成方法を検討、患者委員らが協議会運営の見直し求める

配信日付:2010年11月02日

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2010/11/02(第29号)
■□   がん政策レター   □■  日本医療政策機構 市民医療協議会
━━━━━━━━━━━━━━━━━━ がん政策情報センター

がん政策レターでは、各地の「がん患者アドボケート」による活動やがん対策の
好事例を紹介し、がん医療の“均てん化”を目指します。

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■今週のレター■

[1]センター長コラム
[2]がん対策レポート
[3]インフォメーション
[4]がん対策トピックス
[5]がん対策ニュース

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[1]センター長コラム

●患者と学会が共に目指すこと

 10月28日から30日まで、京都で日本癌治療学会学術集会が開催され、患者リー
ダーたちもたくさん参加しました。京都から帰りの新幹線でこのレターを書いてい
ます。

 2日目の午後には、特別企画「がん難民を救うために」がありました。医療提供者
と患者リーダーのペア4組が4つのテーマについて発表し、意見を取りまとめるとい
う趣向です。座長は本年度学会長の三木恒治氏、来年度学会長の西山正彦氏、日本医
療政策機構がん政策情報センターの山口綾香の3人。昨年度学会長の杉山徹氏が行っ
た、医療提供者と患者がペアで発表する特別企画シンポジウム「がん医療改革に向
け、学会と患者が共にできること」を踏襲しつつ、発展させた内容です。

 4ペアは(1)「地域におけるがん医療」(愛媛がんサポート おれんじの会・松本
陽子氏+新潟県立がんセンター・梨本篤氏)(2)「相談支援」(東北大学病院カト
レアの森・神先裕子氏+国立がん研究センター・若尾文彦氏)(3)「経済的負担
・就労問題」(HOPEプロジェクト・桜井なおみ氏+東北大学大学院・濃沼信夫氏)
④「新薬開発・ドラッグラグ」(グループ・ネクサス・天野慎介氏+埼玉医科大学
国際医療センター・佐々木康綱氏)――で、それぞれの立場から見た問題点や課題
を出し合い取りまとめました。今後、会場の参加者から出た意見も踏まえて原案を
つくり、パブリックコメントを経て最終化するとのこと。来年度学会長の西山氏
は、「これから1年やれることを実行して来年の学会を迎えたい」と抱負を述べまし
た。

 会場に患者リーダーの姿がたくさんあったのは、学会が患者さん約50人を招待
(交通費と宿泊代などを負担)するスカラーシッププログラムがあったから。ま
た、ひとつの部屋が「ペーシャント・アドボカシー・ラウンジ」として患者さん
に開放され、そこで、いくつかの講演やワークショップも行われました。

 私はここで1日目の夕方に、「京都がん医療を考える会」の佐藤好威さんらが企
画した「患者会・がんサロン世話人の持続的発展的育成について」というセッショ
ンのコーディネーターをしました。患者リーダーたちの悩みを吐露して共有しよう
という趣旨で、約50人が参加しました。5つのグループに分かれ、「企画力」「推進
力」「交渉力」「事務処理力」「情報発信力」について悩みを出しあった後、各グ
ループが発表をして共有しました。

 「なにをすべきか目的を明確にすること」「外に働きかける前に内部の意識を合
わせること」「行政に働きかけても、とりあってもらえない」「資金集めもしたい
が、その前に仲間の確保が先」「ウェブなどで広報ができる人材がなかなか見つけ
られない」などの悩みが出ていました。悩みの共有を踏まえて、解決策の共有も進
んでいくでしょう。その際は、がん政策情報センターがもうすぐ試行的に発行する
「アドボカシーワークブック~患者さんが作る政策提言活動の手引き~」も一助と
してください。

 初日の朝一番には学会長の三木氏と私が共同座長を務めた特別企画「定点観
測:がん対策基本法、がん対策推進基本計画に基づくわが国のがん医療」があり
ました。厚生労働省の鈴木健彦氏(行政)、西條長宏氏(腫瘍内科医)、平岡真寛
氏(放射線科医)、祖父江友孝氏(疫学者)、本田麻由美氏(メディア)がそれぞ
れの立場から、2007年のがん対策推進基本計画後のがん対策を中間総括し、今後
の課題を探りました。演者には必ず「基本計画下で進んだこと」「基本計画下で進
んでいないこと」「がん対策進展のため自分の立場でできること」「がん対策進展
のため学会に提案すること」の4点を盛り込んでいただきました。私も、「がん対
策:どこまで来たか、どこに行くのか~次期がん計画策定に向けて~」との演題
で発表をしました。

 今後の優先課題テーマとして浮き彫りになったのは、「がんの現況とがん対策の
進捗を知るために、データ、エビデンス、評価指標などを整備する」「専門的医療
従事者の育成のために、育成の仕組み構築を強化する」「さまざまな立場が協働し
ていく」などでした。たくさんあった学会への提案については、三木氏から「い
ただいた意見を検討していきたい」との言葉がありました。

 学会が患者や社会と協働する姿勢が一歩進んだようです。学術集会のレポートは
がん政策情報センターのウェブサイトに掲載する予定です。さらに一歩進んだ姿が
見られるか、あなたも来年の学会参加を考えてみてはどうでしょうか。
 
 11月6日から8日には、「がん政策サミット2010秋」を開催します。全国から患者
リーダー40人、都道府県議会議員27人、国会議員23人、都道府県庁職員17人が参
加します。今回は、各地のがん対策推進条例や良いがん対策予算を、みんなで共有
し各地に広げていくことがメーンテーマとなります。がん政策情報センターのウェ
ブサイトには、制定済みの全国10県の条例の全文、44都道府県の平成22(2010)年
度がん対策予算の詳細を掲載しています。ぜひ、一度目を通してください。「がん政
策サミット2010秋」の様子は、追ってレポートでご報告しますので、楽しみにして
お待ちください。(センター長 埴岡健一)

■参考サイト

>>第48回日本癌治療学会学術集会
http://www.congre.co.jp/jsco2010/

>>ペーシャント・アドボカシー・ラウンジ
http://www.congre.co.jp/jsco2010/10_cancer_advocates_purokuramu.php

>>第47回日本癌治療学会学術集会レポート
http://ganseisaku.net/practices/reports/domestic/gan_gakkai_47.1.html

>>がん政策サミット
http://ganseisaku.net/impact/events/gan_summit/

>>都道府県のがん対策に関する条例
http://ganseisaku.net/practices/archives/law/gan_local.html

>>都道府県別のがん対策予算
http://ganseisaku.net/practices/archives/budget/gan_local/gan_torikumi.html


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[2]がん対策レポート

●第2期がん計画の作成方法を検討、患者委員らが協議会運営の見直し求める

 第14回がん対策推進協議会が、2010年10月6日、東京都千代田区で開かれ、2011
年度のがん対策関係予算概算要求などの報告のほか、第2期がん対策推進基本計画の
作成に向けた協議が行われました。次期計画の策定について具体的なことは決まら
ず、次回へ課題を積み残す形になりました。

>>第14回がん対策推進協議会レポート
http://ganseisaku.net/practices/reports/domestic/gan_kyougikai/14.html


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[3]インフォメーション

●がん政策サミット2010秋 メディア・ブリーフィング開催のお知らせ

 当機構 がん政策情報センターは、2010年11月6日(土)から8日(月)の3日
間、べルサール三田(東京都港区)等にて、全国のがん患者さんと都道府県議会
議員との意見交換会である「がん政策サミット2010秋~地域の条例と予算を動か
す~」というイベントを開催いたします。これにともない、メディア関係者様向
けに「メディア・ブリーフィング」の開催を予定しております。メディア・ブ
リーフィングでは、当サミットの経緯や3日間の概要のレクチャー等を予定して
おります。是非、ご参加ください。なお、座席・資料を準備いたしますので、事
前登録をお願いいたします。

日時:11月6日(土)18時00分~18時30分
会場:べルサール三田 Room1+2
   http://www.bellesalle.co.jp/bs_mita/bs_mita.html
対象:メディア関係者に限定させていただきます
会費:無料
※ 事前に電子メール(info-gan@healthpolicy-institute.org)にてお申し込み
ください。
 
>>がん政策サミット2010秋 プレスリリース
http://shimin-iryou.org/pressroom/pressreleases/20100906_press


●11/4スタート!「がん患者意識調査」、アンケートにご協力お願いいたします。

 がん患者さんやそのご家族を対象としたアンケート調査を11月4日(木)から開
始します。

 このアンケート調査は患者ニーズ定点観測調査で、今年は2回目の実施となりま
す。調査では、がん患者さんやご家族の生の声を集め、それらを集計・分析し、真
の課題や政策意識を客観的に浮かび上がらせることを目的としています。お一人お
一人の声が、がん医療をより良いものにしていくための原動力となります。ぜひと
も、アンケートに協力いただけますよう、お願い申し上げます。
 
※アンケート専用ウェブページは11月4日(木)正午オープン予定です。

>>「がん患者意識調査」アンケート入口のページ
http://ganseisaku.net/impact/reports/gan_ishiki_2010.html

>>「がん患者意識調査」結果
http://ganseisaku.net/impact/reports/gan_ishiki_2009/


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[4]がん対策トピックス

●「都道府県別がん死亡率」を掲載しました
 
 2009年の男女、男性、女性の都道府県別のがん死亡率を掲載しました。数年間の
データを比較することで、自分が住んでいる地域の死亡率の状況を知って、アドボ
カシー活動に役立ててください。

>>死亡率(2009年の横に表示されている三角をクリックすると前年のデータが表示
されます)
http://ganseisaku.net/gap/data/gan/


●「都道府県別がん死亡改善率」を掲載しました

 1999~2009年(10年改善率)と06~09年(制定後改善率)の男女、男性、女性の
都道府県別のがん死亡改善率を掲載しました。10年改善率では10年前と比較するこ
とができ、制定後改善率ではがん対策推進基本計画のベースラインとなる06年の死
亡率と比較することができ、自分が住んでいる地域の死亡改善率の状況を知って、ア
ドボカシー活動に役立ててください。
 
>>死亡改善率(10年改善率)
http://ganseisaku.net/gap/data/gan/prefectures/kaizenritsu/improvement/

>>死亡改善率(制定後改善率)
http://ganseisaku.net/gap/data/gan/prefectures/kaizenritsu/establishment/


●都道府県別のがん対策予算を更新しました

 新たに石川県・兵庫県・奈良県・新潟県を加え、45都道府県の平成22年度のがん
対策の予算を掲載しました。自分の住んでいる県の予算と他県の予算を読み比べて
ると、都道府県格差が存在することに気づかされます。自分が住んでいる地域の予
算を知って、アドボカシー活動に役立ててください。

>>都道府県別のがん対策予算
http://ganseisaku.net/practices/archives/budget/gan_local/gan_torikumi.html

>>都道府県別のがん対策推進計画とアクションプラン
http://ganseisaku.net/practices/archives/plan/local/gan_keikaku.html

>>都道府県別のたばこ対策の計画とアクションプラン
http://ganseisaku.net/impact/Tobacco/gan_Tobacco_practices/gan_tobacco_plan.html


●がん対策関連情報

>>末期がん等の方への福祉用具貸与の取扱等について
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=157047

>>フォトレポート(平成22年度がん検診50%推進全国大会において大臣挨拶文
を代読する外山健康局長)
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=157081

>>第26回がん遺伝子治療臨床研究作業委員会
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=156867


>>平成22年度新潟県たばこ対策推進協議会を開催します(新潟県、10月27日掲載)
http://www.pref.niigata.lg.jp/kenko/1288126853322.html

>>山梨のがん情報(山梨県、10月26日更新)
http://www.pref.yamanashi.jp/kenko-zsn/seizinhoken/ganjyouhou.html

>>がんに関するイベント情報を更新しました。(北海道、10月25日更新)
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/kak/gantaisakujyouhou

>>しまねのがん対策(島根県、10月23日更新)
http://www.shimane-gan.jp/index.html

>>がん医療(神奈川県、10月19日更新)
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/kenkou/gan/gan/ganiryo.html


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[5]がん対策ニュース

>>福祉用具の貸与を保険適用 自宅療養の末期がん患者に〔共同通信、10月27日〕
http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010102601001068.html

>>子宮頸がんなど3ワクチン接種費、補正予算案に〔読売新聞、10月26日〕
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20101026-OYT1T01095.htm

>>癌学会「大阪宣言2010」に期待〔薬事日報、10月22日〕
http://www.yakuji.co.jp/entry20943.html

>>がんの早期発見に検診有効と認識も 受診経験6割 兵庫〔産経新聞、10月22日〕
http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/hyogo/101022/hyg1010220326002-n1.htm

>>国立がんセンター 治験共同で 新薬承認迅速化目指す〔毎日新聞、10月21日〕
http://mainichi.jp/select/science/news/20101022ddm008040068000c.html

>>臨床研究、情報の開示などを求め声明文〔医療会議CBニュース、10月20日〕
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101020-00000010-cbn-soci

>>がん診療の連携推進 県が指定制度創設へ〔中日新聞、10月20日〕
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20101020/CK2010102002000107.html

>>都道府県に「HTLV-1対策協議会」設置へ〔医療介護CBニュース、10月19日〕
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101019-00000012-cbn-soci

>>緩和ケア様変わり 選べる食事、就寝・起床時間も自由〔産経新聞、10月19日〕
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/101019/sty1010190826001-n1.htm


※がん対策関連のニュースは下記にまとめて掲載しております。
http://ganseisaku.net/newsclip/


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日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センターでは定期的にメール
マガジンを配信しております。
配信の停止をご希望の方は、下記事務局まで、連絡してください。
今後とも当機構の活動へのご支援を何とぞよろしくお願い申し上げます。

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がん政策レター 2010年11月02日号(第29号)

発行所	:日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
発行人	:埴岡 健一
編集長	:湯澤 敦子 グレイス

住所	:〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町2-5-3
Tel	:03-5614-7796
Fax	:03-5614-7795
E-mail	:gan_newsletter@healthpolicy-institute.org
Web	:http://ganseisaku.net/
	 http://www.shimin-iryou.org/

Copyright(c) 2010 日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
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