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[がん政策レター 2010/11/16(第30号)]シンポジウムが名古屋市のがん対策を変えるムードづくりの第一歩に

配信日付:2010年11月16日

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2010/11/16(第30号)
■□   がん政策レター   □■  日本医療政策機構 市民医療協議会
━━━━━━━━━━━━━━━━━━ がん政策情報センター

がん政策レターでは、各地の「がん患者アドボケート」による活動やがん対策の
好事例を紹介し、がん医療の“均てん化”を目指します。

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■今週のレター■

[1]センター長コラム
[2]がん対策レポート
[3]インフォメーション
[4]がん対策トピックス
[5]がん対策ニュース

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[1]センター長コラム

●「がん政策サミット2010秋~地域の条例と予算を動かす~」は成功裏に終了しまし
た

 がん政策情報センターとしては最大のイベントである、半年に一度の「がん政策
サミット(以下、がんサミット)」が11月6から8日の3日間に開催され、多くの
収穫を得て、成功裏に終了いたしました。患者アドボケート39人(29県)、県議会
議員32人(20県)、国会議員16人(秘書19人)、県庁職員17人(11県)が参加し
てくださいました。狙いは、「同じ地域から患者アドボケート、県議会議員、県庁
職員が参加し、ここで学んだことを地元に帰ってから一緒に取り組んでいくように
なる」ということ。参加者限定のイベントで、読者のみなさんすべてにはご覧いた
だけなかったのですが、近日中にレポートを掲載しますので、その内容を共有くだ
さい。また、がんサミットに参加した患者アドボケートが今後、各地で繰り広げる
活動にぜひ参加・応援をお願いします。

 1日目のテーマは、県の「がん条例」でした。いま日本では10県が制定済みで、
さらに10県以上で制定の動きがあります。まず、「制定済」の県の患者アドボケー
ト、県議会議員、県庁職員が、条例の作り方、条例のメリットなどを実際の経験に
基づいて語りました。次に、Q&Aコーナーを設け、「制定希望県」の患者アドボケー
トや県議会議員からの質問に、「制定済」の県の患者アドボケートや、県議会議員
が回答していきました。条例に関する基本的考え方、制定に向けた動き方、交渉の
細かなテクニックまで、実戦的かつ実践的な知恵を授けたのです。ここで生まれた
教え合いのネットワークが、今後も県境を越えて機能していくことでしょう。

 2日目は、県の「がん対策予算」に焦点を絞りました。各県のがん対策の取り組み
には大きな格差があります。県ごとに予算化されている事業項目や金額にもかなりの
違いが生じています。一方で、少数ながら創意工夫や好事例も出てきています。がん
政策情報センターでは、このほど各都道府県のご協力を得て、45都道府県の平成22
年度がん対策予算書を入手しました。それをみんなで読んで好事例を見つけ、どうす
れば地元で実現できるかを考えたのです。また、国が平成23年度の予算として都道
府県向けに用意したメニューを研究し、それを各県でどのように獲得すればいいかの
講義も県庁職員から受けました。さらに、県の予算確保の多様なテクニックについて
も手ほどきを受けました。今まさに都道府県の平成23年度予算の編成は大詰めを迎え
ています。がんサミットで患者アドボケート、県庁職員、県議会議員で始まった議論
が、各地に戻ってからも引き続き継続され、来年度予算によい影響を与えることが期
待されます。

 3日目は、国会議員会館で勉強会を開催し、患者アドボケートから国のがん対策の
強化を国会議員に訴えました。この場で、超党派議員連盟「国会がん患者と家族の
会」の会長である尾辻秀久参議院議員は、「開店休業中状態だった議連だが、がん対
策推進基本計画も見直しの時期に来ているので、近く活動を再開したい」と述べてく
ださいました。議連の再開を、国会議員と患者アドボケートががん対策基本法成立前
後のような熱気を取り戻し、がん対策がより力強く進むきっかけにしていくことが、
大切だと思われます。

 特別レクチャーも充実していました。2日目には、神奈川県の松沢成文知事に登場
いただきました。3日目は国立がん研究センターを訪問し、今年春に就任した嘉山孝
正理事長から、組織改革と新たな取り組みについてスピーチをいただきました。いず
れも素晴らしい内容で、参加者は熱心に聞き入っていました。レポートではこの2つ
の名スピーチの内容もご紹介します。次のがんサミットは「がん政策サミット2011
春」として、来春開催されます。各地の取り組み報告を聞くのが楽しみです。近づき
ましたら、また、このがん政策レターでもご案内いたします。

 11月13日には「ひょうご患者連絡会」の「がん患者会研修公開講座」にお招きいた
だき、「日本のがん対策とがん患者団体の役割」との題で講演をさせていただきまし
た。質疑応答や意見交換では、在宅緩和ケアの推進や患者負担の軽減に関して、多く
の話題が出ていました。また、ひょうご患者連絡会のメンバーが、がんサミットに参
加していたこともあり、「兵庫県でもがん条例を」との意見も聞かれました。

 14日には、香川県高松市にて「四国がん対策連携協議会」が開催した「四国におけ
るがん情報サービス向上に向けた地域懇話会」(4県合同タウンミーティング)に参
加し、「日本のがん対策と四国の現状~各地の好事例から学ぶ~」として講演をさせ
ていただきました。事例発表では、4県から患者リーダーと県庁担当者がペアで各県
の取り組みを紹介しました。四国全体の連携協議会ができたのは画期的です。がん拠
点病院から独立した相談窓口の設置の必要性、国の新規予算項目になった県に1カ所
設置する「患者相談統括支援センター」にどう取り組むか、などにたくさんの意見が
出ていました。また、四国4県で唯一、条例が未制定の香川県で条例を作ることも、
大きな関心事となっていました。これをきっかけに、四国全体のがん対策に関する情
報交換と協働作業が進むのではないかと感じさせるイベントでした。 
(センター長  埴岡健一)

■参考サイト
>>がん政策サミット
http://ganseisaku.net/impact/events/gan_summit/

>>都道府県のがん対策に関する条例
http://ganseisaku.net/practices/archives/law/gan_local.html

>>都道府県別のがん対策予算
http://ganseisaku.net/practices/archives/budget/gan_local/gan_torikumi.html

>>ひょうご患者連絡会
http://hyogo-capa.net/

>>四国がん対策連携協議会 四国におけるがん情報サービス向上に向けた地域懇話会
http://ganjoho.ncc.go.jp/public/event/2010/20101114.html


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[2]がん対策レポート

●がん医療でのピアサポーターの重要性を共有、シンポジウムが名古屋市のがん対策
を変えるムードづくりの第一歩に

 愛知県の患者支援団体NPO法人ミーネットらが参画する「がんになっても安心な街
づくりシンポジウム実行委員会」が、2010年10月23日、名古屋市立大学病院内でシン
ポジウムを開催しました。このシンポジウムは、当機構の地域発がん対策市民協働プ
ログラム「愛知発:ピアサポートプロジェクト~がん診断時からのピアサポート・モ
デル事業~」の一環として開かれたものです。がん患者・家族や医療提供者、愛知県
議や名古屋市議など約300人が参加し、会場は、愛知県や名古屋市のがん対策を向上
させようという熱気に包まれました。

>>愛知発:ピアサポートプロジェクト~がん診断時からのピアサポート・モデル事業
~ 参加レポート
http://ganseisaku.net/impact/gan_coproduction/reports/20101013.html

>>愛知発:ピアサポートプロジェクト~がん診断時からのピアサポート・モデル事業
~ のページ
http://ganseisaku.net/impact/gan_coproduction/2010/aichi/p2/p2.html


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[3]インフォメーション

●「がん政策サミット2010秋~地域の条例と予算を動かす~」を開催しました

 11月6日から8日に、当機構主催の「がん政策サミット2010秋~地域の条例と予算を
動かす~」を開催しました。全国のがん対策推進協議会等の患者関係委員および公募
を経て集まった患者リーダー39人(29都道府県)・都道府県県議会議員32人(20都道府
県)・都道府県庁のがん対策担当者17人(11都道府県)・国会議員16人など多くの
方々にご参加いただきました。ご参加いただきましたみなさま、御礼申し上げます。
開催レポートは、がん政策情報センターWebにて公開予定です。

>>がん政策サミットのページ
http://ganseisaku.net/impact/events/gan_summit/


●「がん患者意識調査2010年」、アンケートにご協力お願いいたします。

 がん患者さんやそのご家族を対象としたアンケート調査を11月4日から開始しま
た。このアンケート調査は患者ニーズ定点観測調査で、今年は2回目の実施となりま
す。調査では、がん患者さんやご家族の生の声を集め、それらを集計・分析し、真の
課題や政策意識を客観的に浮かび上がらせることを目的としています。一人ひとりの
声が、がん医療をより良いものにしていくための原動力となります。ぜひとも、ご協
力いただけますよう、お願い申し上げます。

>>「がん患者意識調査2010年」アンケートのページ
http://ganseisaku.net/impact/reports/gan_ishiki_2010.html


●「地域発:がん対策市民協働プログラム」静岡プロジェクトよりお知らせ

 静岡プロジェクト「子育て世代の女性特有がん 検診受診率向上プロジェクト」で
は、シンポジウム「がんを地域で考える~家族を守るために!女性特有がんについて
~」を開催します。子育て世代の女性が検診を受けるには、いろいろなハードルがあ
ることがわかりました。多くの方に興味を持っていただけるように、なぜがん検診を
受診することが大切なのかを、一緒になって考えます。

対 象:一般(無料で託児も受け付けます)
日 時:11月21日(日)10時00分~12時00分(9時30分 開場)
会 場:浜松学院大学 布橋キャンパス 1号館1101教室

>>参加の申し込みは下記ページよりお願いします。
http://npo.hamamatsu-pippi.net/project/ganpro/sympo.html

>>「子育て世代の女性特有がん 検診受診率向上プロジェクト」のページ
http://ganseisaku.net/impact/gan_coproduction/2010/shizuoka/shizuoka.html


●「地域発:がん対策市民協働プログラム」全国プロジェクトよりお知らせ

 全国プロジェクト「働き世代のがん患者・体験者に対する就労・雇用支援プロジェ
クト」では、就労問題フォーラム「がんと一緒に働こうin 愛知~治療を続けながら
働くコツ~」を開催します。がん患者・体験者が遭遇する、治療と経済的負担の問題
について、医療者とともに話し合います。

対  象:一般(患者・家族、医療従事者、行政、企業、メディア、その他)
日  時:11月28日(土)13時00分~16時15分
会  場:愛知県がんセンター 国際医学交流センターメインホール
参加費:500円

>>参加の申し込みは下記ページよりお願いします。
http://www.cancernet.jp/eve101128csr.html

>>「働き世代のがん患者・体験者に対する就労・雇用支援プロジェクト」のページ
http://ganseisaku.net/impact/gan_coproduction/2010/zenkoku/zenkoku.html


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[4]がん対策トピックス

●「都道府県別がん部位別死亡率」2009年を掲載しました
 
 2009年の男女、男性、女性の都道府県別のがん部位別死亡率を掲載しました。数年
間のデータを比較することで、自分が住んでいる地域の死亡率の状況を知って、アド
ボカシー活動に役立ててください。

>>部位別死亡率(2009年の横に表示されている三角をクリックすると前年のデータが
表示されます)
http://ganseisaku.net/gap/data/gan/prefectures/buibetsu/stomach/


●がん対策関連情報

>>第15回がん対策推進協議会の開催について
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=157515

>>第14回がん対策推進協議会議事録
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=157677


>>がんに関するイベント情報を更新しました。(北海道、11月12日更新)
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/kak/gantaisakujyouhou

>>「がんのお話」出前講座のお知らせ(石川県、11月12日更新)
http://www.pref.ishikawa.lg.jp/kenkou/kenmin_ittai/kataribe.html

>>しまねのがん対策(島根県、11月10日更新)
http://www.shimane-gan.jp/index.html

>>がんに関する医療(愛媛県、11月9日更新)
http://www.pref.ehime.jp/h20180/gan_iryou/index.html


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[5]がん対策ニュース

>>米厚生省、文字と画像でたばこの害警告表示義務化へ〔CNN.co.jp、11月11日〕
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101111-00000003-cnn-int

>>未承認抗がん剤、保険診療との併用を検討〔日本経済新聞、11月10日〕
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819481E3E2E2E09A8DE3E2E3E3E0E2E3E29F9FEAE2E2E2

>>浜松「女性特有がんを考える」シンポジウム〔みんなの経済新聞ネットワーク、11月9日〕
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101109-00000034-minkei-l22

>>効果的な「がん対策条例」のポイントは?〔医療介護CBニュース、11月8日〕
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101108-00000001-cbn-soci

>>広げよう受動喫煙防止条例―神奈川県知事講演〔医療介護CBニュース、11月8日〕
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101108-00000000-cbn-soci

>>県庁舎内、来年4月めどに全面禁煙へ/徳島〔毎日新聞、11月3日〕
http://mainichi.jp/area/tokushima/news/20101103ddlk36010422000c.html

>>「がん療養」県内版発行へ 県と国、7日に公開講座〔下野新聞、11月1日〕
http://www.shimotsuke.co.jp/town/life/medical/news/20101101/407485

>>かながわ卒煙塾:宣言達成し「卒煙式」/神奈川〔毎日新聞、10月31日〕
http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20101031ddlk14040167000c.html

>>県内のタクシー 来年から全面禁煙化〔紀伊民報、10月30日〕
http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/wakayama/101028/wky1010280148003-n1.htm

>>がん死者2割減目標 県アクションプラン策定/大分〔毎日新聞、10月28日〕
http://mainichi.jp/area/oita/news/20101028ddlk44040658000c.html

>>治療と緩和ケアの両立を 終末期医療懇談会が報告書〔共同通信、10月28日〕
http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010102801000786.html


※がん対策関連のニュースは下記にまとめて掲載しております。
http://ganseisaku.net/newsclip/


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日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センターでは定期的にメール
マガジンを配信しております。
配信の停止をご希望の方は、下記事務局まで、連絡してください。
今後とも当機構の活動へのご支援を何とぞよろしくお願い申し上げます。

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がん政策レター 2010年11月16日号(第30号)

発行所	:日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
発行人	:埴岡 健一
編集長	:湯澤 敦子 グレイス

住所	:〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町2-5-3
Tel	:03-5614-7796
Fax	:03-5614-7795
E-mail	:gan_newsletter@healthpolicy-institute.org
Web	:http://ganseisaku.net/
	 http://www.shimin-iryou.org/

Copyright(c) 2010 日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
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