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[がん政策レター 2011/01/11(第34号)]欧州臨床腫瘍学会(ESMO)学術集会 研修ツアーレポート

配信日付:2011年01月11日

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2011/01/11(第34号)
■□   がん政策レター   □■  日本医療政策機構 市民医療協議会
━━━━━━━━━━━━━━━━━━ がん政策情報センター

がん政策レターでは、各地の「がん患者アドボケート」による活動やがん対策の
好事例を紹介し、がん医療の“均てん化”を目指します。

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■今週のレター■

 みなさま、本年もどうぞよろしくお願い申しあげます。
 2011年最初のがん政策レターになります。創刊以来、隔週配信することができまし
た。皆さまの温かいご支援にお礼申し上げます。今年もみなさまに有用な情報をタイ
ムリーに提供できるように、一層の努力をしていきたいと思います。引き続きよろし
くお願いいたします。

[1]センター長コラム
[2]がん対策レポート
[3]インフォメーション
[4]がん対策トピックス
[5]がん対策ニュース

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[1]センター長コラム

●2011年のがん対策を展望してみよう

 2011年がやってきました。本年もよろしくお願いいたします。年初に当たり、みな
さんそれぞれの抱負をお持ちのことと思います。ここで、11年がどんな年になるのか
少し展望をしてみましょう。

 まず、がん対策の重要日程をいくつか拾ってみましょう(必ずしも網羅的ではない
ことはご容赦ください)。一般的に2月から3月ごろには都道府県議会で予算が審議さ
れ、その中でがん対策予算も決定されていきます。地元のがん対策予算に重要な事業
が十分に盛り込まれるよう最終チェックをすることが、活動として考えられます。が
ん対策推進条例に関しては、現在、10を上回る県で、何らかのかたちで策定が話題と
なっています。いくつかの県では、冬や春の議会で審議、制定となりそうです。内容
が充実し実効性が高い条例とすることができるか注目されます。多くの県では5カ年
のがん対策進計画の3年を経ようとしているところであり、中間評価のタイミングと
なります。これまでの振り返りをしっかりと行い、必要な修正を加えることが、今後
の実効性の確保のために重要となるのでしょう。

 国においては、がん対策推進基本計画の最終年度となり、がん対策推進協議会にお
いて1月から春にかけて、第2期がん対策推進基本計画(12年度から16年度)の骨子づ
くりが本格化します。(1)目標を成果(アウトカム)ベースで立てる(2)目標の達成に
貢献する度合いが高い事業や対策を優先的に打つ(3)計画と対策の進捗評価がやりや
すい計画とする(4)患者、現場、地域のニーズを反映している--などが実現できる
かが大切なカギとなるのでしょう。同協議会で始まった集中審議と、新たに設置され
た3つの専門委員会(緩和ケア、小児がん、がん研究)での検討内容からも、目が離
せません。

 計画策定の際に重要となる基礎データをみても、11年は、がん診療連携拠点病院を
中心に実施されている院内がん登録と呼ばれるデータによる3年生存率が開示される
こととなります。レセプトデータの集約なども進みます。医療保険のデータを集計し
て活用する仕組みの議論も進展しています。医療の質の「見える化」が一歩前進する
元年となることが期待されます。

 政権や国会の動向は大変流動的な状況にありますが、政治日程としては、4月10
日、24日に行われる統一地方選挙がひとつの大きなポイントです。10日には13都道県
知事選、44道府県議選、5政令指定市長選、16指定市議選が予定されています。近年
では、政党・党派、候補者が政権公約(マニフェスト)を作成して政策を問うことが
多くなっています。患者団体や患者関係者の中には、候補者に医療政策やがん対策に
対する考えを選挙前に聞いて公開するといった活動をするところも出てきています。
「選挙で医療政策を変える」という観点からすると、政治家に声を届ける重要な機会
でもあります。

  実は、12年4月は医療制度改革の重要な節目であり、11年はそのための議論と準備
の年となります。12年4月には、第2期がん対策推進基本計画だけでなく、診療報酬の
改定(2年に一度)、介護報酬の改定(3年に一度)、医療法の改正(5年に一度)に
よる医療計画の改訂作業の開始など、大きな改正や改訂が一度に重なるのです。医療
と介護の全般に大きなインパクトがあるでしょうが、それはがん分野においても例外
ではありません。すでにこうした議論はスタートしており、11年を通して、議論の行
方を注視し、必要な声を届けていく継続的な活動も期待されているところです。

  医療・介護の充実と多様な患者ニーズを実現していくには、そのための財源論を避
けて通ることはできないと考えられています。11年は、医療と介護や福祉の財源をど
うするかの議論が大きく進展する可能性もあり、医療分野に関心が高い方々にとって
は欠かせないウォッチ対象となるでしょう。こうしたマクロ的観点からは、「医療基
本法(仮称)」制定の動きがどうなるかも注目点となります。現在、医療に関する法
律は、個別の各論の法律の“寄せ集め”ともいわれる状態となっていますが、医療の
理念などを包括的に捉えたベースとなる法律を作ろうとの構想です。

  一言で表現すれば、11年は「大きな医療変革の仕込みの年」「飛躍へのバネとなる
年」とでもいえるでしょうか。もちろん、それが本当に進展するか、本物の変革と医
療の改善に結びつくか、それはみなさんの日頃の活動に大きく依存するのだろうと思
います。がん政策情報センターもこうした側面をウォッチし、情報提供などに努めて
いきたいと考えています。(センター長 埴岡 健一)


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[2]がん対策レポート

●欧州臨床腫瘍学会(ESMO)学術集会 研修ツアーレポート

 2010年10月8日から12日、ミラノ(イタリア)において、欧州臨床腫瘍学会
(ESMO:European Society for Medical Oncology)の第35回年次学術集会「35th
ESMO Congress」が開催されました。世界100カ国以上から約1万6000人が参加し、新
しい抗がん剤の臨床試験の結果等が発表されました。また、患者関係者のための「患
者セミナー」も行われました。がん政策情報センターでは、本学会に参加し欧州の患
者団体の活動に触れる機会として研修ツアーを実施しましたので、その模様をレポー
トします。

>>欧州臨床腫瘍学会(ESMO)学術集会 研修ツアーレポート
http://ganseisaku.net/impact/training/advocacy/ESMO.1.html


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[3]インフォメーション

●2011年「地域発:がん対策市民協働プログラム」選考講評を公開しました

 「地域発:がん対策市民協働プログラム」は、現在進行中の国のがん対策推進基本
計画と都道府県のがん対策推進計画の趣旨に合わせ、がんによる死亡率を減らすこと
を目的として、2009年8月より始動しました。10年の継続的な活動を経て、このほど3
年目(11年1月~12月)の対象プロジェクトが選定されました。

 2年目の10年は、各プロジェクトで地域のがん対策へ貢献する活動が行われ、大き
な成果をあげることができました。3年目を迎えるにあたり、今後は、好事例として
全国に普及することを前提に、さらなる発展を期待しています。

 これらプロジェクトの選考方法、選考講評をご覧ください。

>>地域発:がん対策市民協働プログラムのページ
http://ganseisaku.net/impact/gan_coproduction/about.html

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[4]がん対策トピックス

●「がん部位別死亡改善率 10年改善率(1999-2009年)」を掲載しました

 1999年から2009年の10年間の都道府県別のがん部位別死亡改善率(11種類)を掲載
しました。この改善率を参考に、数年間のデータを比較することで、自分が住んでい
る地域の部位別死亡率の改善状況を知って、アドボカシー活動に役立ててください。

>>がん部位別死亡改善率 10年改善率(1999-2009年) 胃がん
(この他にも結腸がんなど10種類がございますので、あわせてご参照ください)
http://ganseisaku.net/gap/data/gan/prefectures/buibetsukaizenritsu/stomach-i
mprovement/

>>がん部位別死亡率 2009年 胃がん
http://ganseisaku.net/gap/data/gan/prefectures/buibetsu/stomach/


●がん対策関連情報

>>がんに関するイベント情報を更新しました。(北海道、1月7日更新)
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/kak/gantaisakujyouhou

>>山梨のがん情報 (山梨県、1月6日更新)
http://www.pref.yamanashi.jp/kenko-zsn/seizinhoken/ganjyouhou.html

>>しまねのがん対策(島根県、1月6日更新)
http://www.shimane-gan.jp/index.html

>>がん患者の支援(神奈川県、1月4日掲載)
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/kenkou/gan/gan10/kanja-sien/sien.html

>>がん緩和ケア県民公開講座を開催します(佐賀県、12月28日掲載)
http://www.pref.saga.lg.jp/web/kurashi/_1019/ki-osirase/_33189.html

>>岩手県がん対策推進計画の策定について(岩手県、12月27日更新)
http://www.pref.iwate.jp/view.rbz?nd=137&of=1&ik=1&pnp=51&pnp=94&pnp=137&cd=
2645

>>「大分県がん対策推進条例(仮称)案」に対する県民意見の募集について(大分
県、12月21日掲載)
http://www.pref.oita.jp/site/gikai/seisaku-pabukome22.html


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[5]がん対策ニュース

>>地域医療強化へ産科拠点病院の整備や病院間連携の推進〔神奈川新聞、1月4日〕
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1101030039/

>>地域包括ケア、推進へ本腰 府がプラン策定〔京都新聞、12月30日〕
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20101230000015

>>情報化促進に15億円-経産省11年度予算案〔医療介護CBニュース、12月28日〕
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101228-00000004-cbn-soci

>>大学病院の機能強化など文科省11年度予算案〔医療介護CBニュース、12月28日〕
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101228-00000000-cbn-soci

>>消費増税後の福祉検討、社会保障検討本部設置〔読売新聞、12月27日〕
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20101227-OYT1T00907.htm

>>2011年度予算案 医療・健康分野をながめてみると〔朝日新聞、12月24日〕
http://www.asahi.com/health/feature/101224_budget.html


※がん対策関連のニュースは下記にまとめて掲載しております。
http://ganseisaku.net/newsclip/


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日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センターでは定期的にメール
マガジンを配信しております。
配信の停止をご希望の方は、下記事務局まで、連絡してください。
今後とも当機構の活動へのご支援を何とぞよろしくお願い申し上げます。

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がん政策レター 2011年01月11日号(第34号)

発行所	:日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
発行人	:埴岡 健一
編集長	:湯澤 敦子 グレイス

住所	:〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町2-5-3
Tel	:03-5614-7796
Fax	:03-5614-7795
E-mail	:gan_newsletter@healthpolicy-institute.org
Web	:http://ganseisaku.net/
	 http://www.shimin-iryou.org/

Copyright(c) 2011 日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
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●がん政策レターのバックナンバーは下記URLよりご覧ください。
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