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[がん政策レター 2011/03/18(第39号)]「これ以上の犠牲を出さない」ために、一人ひとりが、できることとは?

配信日付:2011年03月18日

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2011/03/18(第39号)
■□   がん政策レター   □■  日本医療政策機構 市民医療協議会
━━━━━━━━━━━━━━━━━━ がん政策情報センター

がん政策レターでは、各地の「がん患者アドボケート」による活動やがん対策の
好事例を紹介し、がん医療の“均てん化”を目指します。

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 東日本大震災発生から8日になりますが、余震や原子力発電所を含めて深刻な状況
が続いています。本当に胸が痛みます。被害にあわれたみなさまには謹んでお見舞い
を申し上げるとともに、亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センターでは、東日本大震災を
受け、少しでも被災地のみなさまのお役にたればと思い、ミニリンク集を追加して配
信予定日より早く配信させていただいております。


[1]センター長コラム
[2]ミニリンク集
[3]がん対策トピックス

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[1]センター長コラム

●「これ以上の犠牲を出さない」ために、一人ひとりが、できることとは?

 3月11日に起こった「東日本大震災」に被災された方々に、こころよりお見舞いを
申し上げます。犠牲になられた多くの方々の無念を思いつつ、ご冥福をお祈りいたし
ます。

 激しい揺れ、この世のものとは思えない巨大な津波、救出を待つ人々、厳しい避難
生活…。それに続いた原子力発電所の事故と放射能の危険性からの退避、そして電力
不足から始まった計画停電への対応…。未曾有の苦難と危機が、東日本で連続して発
生しています。

 災害や危機は、患者などのいわゆる社会的弱者に対して、より残酷な姿を見せま
す。がん患者・家族の方々も、次のような多くの困難に直面されていると思います。

 入院している病院が機能を失った。外来治療をしている方で、病院が罹災したため
に予定の治療が受けられない。避難するときに、飲んでいる薬を持ち出せなかった。
抗がん剤を服用中で免疫機能が下がっているので、避難所の生活に不安がある。使っ
ている医療用麻薬が不足すれば、痛みが抑えられなくなる恐れがある。在宅ケアで
使っている医療機器が停電でトラブルを起こさないか、確認することに苦労した。原
発事故からの退避によって、新しい病院を探さなければならない。

 --患者さんやご家族の不安や苦労は、想像を絶するものがあります。また、医療
現場のスタッフも、自分や家族のことはそっちのけで、続々と運び込まれる罹災者へ
の対応を、品切れする医薬品や物資もあるなかで、使命感をもって懸命に行っておら
れ、その姿に胸を打たれます。また、全国、世界各地から現地入りしている救援チー
ムの活躍に、声援を送りたいと感じます。
 
 それにしても、予想を常に上回る深刻な現実が次々と明らかになるなかで、大きな
無力感に襲われそうになります。

 そんな中、9年半前の2001年9月11日にあった「米国同時多発テロ」のときのことを
思い出しました。 “9・11”により、米国で飛行禁止措置がとられ、米国から届
くはずであったドナーからの骨髄液が運べなくなるという事態が、このとき発生した
のです。骨髄液は、血液がんである白血病の治療法のひとつである「骨髄移植」に必
要不可欠なものです。患者さんは骨髄移植の前に自分の造血機能を“破壊”したうえ
で骨髄液を待っているため、それが速やかに届かないと、致命的な事態になりかねま
せん。

 日本のスタッフには、「こんな想定できないことが起こってしまったのだから、骨
髄液を運ぶことは無理かも知れない」との思いがあったかも知れません。私はそのと
き骨髄バンクの事務局長だったのですが、正直、そんな気持ちが一瞬だけよぎりまし
た。そのとき、米国のドナーからの骨髄液の採取と運搬を担当した米国の骨髄バンク
は、「われわれは、これ以上の犠牲を出さない」とのメッセージを高らかに掲げまし
た。「テロは許せない。テロで犠牲者が出たことは、受け入れられない。そして、テ
ロの影響によって、さらなる間接的犠牲者が出ることは絶対に阻止したい。万難を排
してあらゆる手段を考慮して全力で骨髄液を届けるよう努力する」というのです。

 飛行禁止令によって米国内の骨髄運搬が困難を極めているなかで、日本のための骨
髄液を確保するべく力を尽くし、特別飛行許可をとったチャータージェットを使うこ
とを提案してくれました。私は横っ面を張られて目を覚まされた気がしました。日米
関係各社のバトンリレーで無事、骨髄液は患者さんに届きました。そして、1600万円
かかったチャーター費用は、全国の支援者からの寄付によって、全額がまかなわれる
こととなりました。

 「テロの影響による、さらなる犠牲者が出ることは阻止する」を言い換えると、
「大災害の影響による、さらなる犠牲者が出ることは阻止する」となります。“3・
11”の大震災で、これから起こる可能性がある犠牲は、人の力で防ぐことができる
部分があるはずというわけです。

 すでに、がん患者団体の中にも、がん患者さんやご家族を支えようと、支援の輪が
広がっているようです。ここでいますぐできることとして、ささやかながら情報共有
の一助になればと下記のリンク集を作ってみました。そして、大震災によって明らか
になった社会的不備に対しては、今後とも政策提言を支援する者たちとして何ができ
るかを、みなさんといっしょに考え続けていきたいと思います。(センター長 埴岡
健一)

■参考文書

>>米国からの骨髄液の緊急特別輸送について
http://www.jmdp.or.jp/documents/file/07_about_us/press/press01_09_15.pdf


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[2]ミニリンク集

●患者支援など

>>J-CAN(Japan Cancer Action Network)からのお知らせ
http://j-can.blogspot.com/

>>チームオンコロジー(上野直人医師による)
http://twitter.com/Teamoncology

>>兵庫県立医大 災害看護 命を守る知識と技術の情報館 役立ちマニュアル がん
患者編
http://www.coe-cnas.jp/group_cncr/manual/index.html

>>朝日新聞 社会グループ
http://twitter.com/#!/asahi_shakai

>>(英語)がん患者の自然災害後の対処の仕方~患者・家族からのよくある質問への
回答集
Coping With Cancer After a Natural Disaster: Frequently Asked Questions for Cancer Patients and Their Caregivers http://www.cancer.org/treatment/findingandpayingfortreatment/coping-with-can
cer-after-a-natural-disaster

●総合リンク、基本的情報源など

>>Google Crisis Response
http://www.google.com/intl/ja/crisisresponse/japanquake2011.html

>>「被災者向け医療情報まとめサイト」
http://akkie.mods.jp/311care/メインページ

>>邦人医療支援ネットワーク(ジャムズネット) 地震関連医療情報
http://jamsnettokyo.web.fc2.com/

>>日経メディカル オンライン編集部 災害医療関連コンテンツリンク集
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_94717_3500_1

>>厚生労働省平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震関連情報
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014ih5.html

●医療関係者向け、心理的支援者向け情報など

>>津波・地震において自分、家族、同僚、地域の健康を守るヒント集
http://kojiwada.blogspot.com/

>>日本臨床腫瘍学会「東北地方太平洋沖地震 被災地におけるがん薬物療法対象患者
に対する支援」
http://jsmo.umin.jp/oshirase/20110315.html

>>日本ホスピス緩和ケア協会
http://www.hpcj.org/

>>サイコロジカル・ファーストエイドに関して(兵庫県こころのケアセンター)
http://www.j-hits.org/psychological/index.html

●ボランティア、寄付関係など

>>東北地方太平洋沖地震被災地でボランティアしたいと思っている方へ
http://www.kvnet.jp/touhoku_jishin.html

>>Yahoo ボランティア
http://volunteer.yahoo.co.jp/disaster/list/0047.html

>>日本財団 CANPAN
https://canpan.info/open/news/0000006468/news_detail.html

>>募金情報まとめ
http://sites.google.com/site/quake20110311jp/bokin


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[3]がん対策トピックス

●がん対策関連情報

>>3月18日(金)に予定されていた緩和ケア専門委員会の開催中止
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000013tip-att/2r98520000013tk4.pdf

●海外の動向

>>米国がん政策サミットの報告書がIOMから発行 National Cancer Policy Summit -
Summary of a Meeting of the National Cancer Policy Forum (英語)
http://www.iom.edu/Reports/2011/National-Cancer-Policy-Summit.aspx?utm_mediu
m=etmail&utm_source=Institute%20of%20Medicine&utm_campaign=03.11+IOM+News&ut
m_content=IOM%20Newsletter&utm_term=Unknown


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日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センターでは定期的にメール
マガジンを配信しております。
配信の停止をご希望の方は、下記事務局まで、連絡してください。
今後とも当機構の活動へのご支援を何とぞよろしくお願い申し上げます。

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がん政策レター 2011年03月18日号(第39号)

発行所	:日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
発行人	:埴岡 健一
編集長	:湯澤 敦子 グレイス

住所	:〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町2-5-3
Tel	:03-5614-7796
Fax	:03-5614-7795
E-mail	:gan_newsletter@hgpi.org
Web	:http://ganseisaku.net/
	 http://www.shimin-iryou.org/

Copyright(c) 2011 日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
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