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[がん政策レター 2011/05/17(第43号)]改めて「がん政策情報センター」を自己紹介させてください

配信日付:2011年05月17日

━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2011/05/17(第43号)
■□   がん政策レター   □■  日本医療政策機構 市民医療協議会
━━━━━━━━━━━━━━━━━━ がん政策情報センター

がん政策レターでは、各地の「がん患者アドボケート」による活動やがん対策
の好事例を紹介し、がん医療の“均てん化”を目指します。

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東日本大震災により被災された皆さまには心よりお見舞いを申し上げます。
皆さまの安全と一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

[1] センター長コラム
[2] がん対策レポート
[3] インフォメーション
[4] がん対策トピックス
[5] がん対策ニュース

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[1] センター長コラム

●改めて「がん政策情報センター」を自己紹介させてください

 お陰さまでこのメールマガジンの読者数も徐々に増えています。今回は、改
めて私たち「がん政策情報センター(以下、当センター)」の自己紹介をさせて
ください。

 10人あまりのスタッフがいる私たちのオフィスでは今、7月17~19日に開催
する「がん政策サミット2011」に向け、準備作業が佳境に入りつつあります。
5回目となる今回のがん政策サミット(以下、がんサミット)は、当センターの
プロジェクト第1期(2009年1月~11年12月の3年間)の、いわば総集編的な位置
付けになるものです。これまでの4回のがんサミットでは、多くのことにチャ
レンジしてきました。それらの学びから、今回は今までの振り返りを含め、患
者アドボケート(提案をする患者リーダーのこと)のみなさんがこれまで培って
こられたスキルやノウハウを改めて共有いただき、“集大成”として、全員で
学び合う機会としたいと考えています。

 現時点では、患者関係者、議員関係者、行政関係者、がん拠点病院などの医
療関係者合計150人ぐらいにお集まりいただける見込みです。患者関係者の参加
公募はすでに締め切りを過ぎましたが、当日のレポートや資料はウェブサイト
に公開しみなさんに共有していきますので、開催後にご覧ください。

 当センターは、がん対策のあるべき姿として、「がん患者・市民が、がん医
療政策決定プロセスを主導することにより、最上のがん医療とがん対策を社会
全般に実現する」というミッションのもと、活動しています。NPO(非営利組織)
である私たちは、その流れをつくる主役であるがん患者さんと関係者を支援し
ていくのが仕事となります。患者関係者が、
(1)がん対策の問題点を発見し、
(2)みんなの意見や情報を集約してあるべき施策を提案としてまとめ、
(3)提案をそれが実現できる当事者に訴求し、対策を実施する行動を起こしてもらい、
(4)その進捗をチェックしていく・・・。
そうした一連のプロセスを側面支援させていただいております。

 (1)の問題点を見出すためには、さまざまなかたちで患者関係者が感じている
ニーズを声として集めたり、現状を知るためのデータを“見える化”したりす
ることが役立つでしょう。当センターが実施している患者調査や、各種の格差
データなども参考になれば幸いです。

 (2)の意見を集約して提案にまとめる方法については、がんサミットのグルー
プワークでも何度か取り上げました。問題点を解決したいという目的と動機が
ある際、どんな風にすれば有効性が高いと思える提案を仲間とまとめていける
のか。グループワーク後の感想では、「考えるプロセスが勉強になった」とい
うお言葉もいただきました。また、がんサミットで見られた、患者関係者や議
員・行政担当者が一緒に考え発表する光景は、地域で異なる立場の人たち
が集まって合意を取り提案をまとめていくという、これからの「がん対策」に
求められる姿の一例を示しているかのようでした。

 (3)の、政策の採用や実施に影響がある立場の人に、どのように施策の必要性
を理解してもらい、実施への行動を始めてもらうかという点。これについては、
多くの患者アドボケートの活動成果から学んだ内容を「アドボカシーワークブ
ック」に取りまとめてあります。また、患者アドボケートが活動をする際、議
員や行政との人的ネットワークやコミュニケーション回路が通じていることは、
とても大事なことだと考えられます。がんサミットでの出会いが役立つことも
あるでしょう。また、他地域で進んでいる様々な立場の人々の協働作業を目の
当たりに見ることで、刺激やヒントになることもあったかも知れません。

 当センターで行えていることはまだまだ不十分ですが、今後ともメニューを
増やしていきたいと思っています。ここで知っておきたいのは、当センターは
あくまで「患者“支援”組織」であり、「患者団体」そのものではないという
ことです。上記のように、アドボケートをする活動に役立つ共通基盤(インフ
ラ)としての支援を行い、情報やノウハウの提供と場づくりはいたしますが、
具体的な個別の政策提言を推奨したり、自ら行ったりすることはいたしません。

 上手な例えはなかなか見つかりませんが、スポーツのトレーニングジムに少
し似ているかも知れません。100メートル走でもマラソンでも、陸上でも球技
でも格闘技でも、夏のスポーツだけでなくウィンタースポーツでも、何をして
いる選手であっても、瞬発力、持久力、筋力、バランス、柔軟性、メンタルの
強化、けがの予防、合理的な練習法などが必要でしょう。それはプロかアマか
も、所属チームも問わないでしょう。トレーニングジムは、選手に必要とされ
るトレーニングを提供しますが、どの種目に出るかは選手が決めます。競技に
出場するのも、記録を作るのも、表彰されるのも選手です。トレーニングジム
が表に出ることはありません。われわれも患者アドボケートのための、“よき
トレーニングジム”のような存在になりたいと思います。

 当センターと助成元・寄付者との関係も知っておいていただくべき大切な事
項です。われわれの事業は財団や企業の助成金や寄付金から成り立っています。
当センターがウェブサイトの「プロジェクトの紹介」にあるような内容の「事
業計画」を出して、日本医療政策機構が定める、「寄付・助成の受領に関する
指針」に賛同していただけた財団・企業からご支援いただいています。当セン
ターのプロジェクトは、包括的ながん対策全般を高めることが趣旨です。前述
の指針にある通り、寄付者から個別・具体的な活動の要望や提案を受けること
はありません。助成金については、助成金の応募要項に沿ってがん政策情報セ
ンターの活動を応募し、選定されることによって獲得しています。ですから、
こちらも活動内容について要望や提案を受けることはありません。事業計画を
着々と進めることを心がけています。

 もちろん、寄付者への活動報告は必須です。節目の時期に、レポートを提出
したり、助成元・寄付者訪問をしてご説明にあがり、ご報告をします。その際
には、がん対策におけるひとつの重要なステークホルダーとしてのご意見も伺
います。しつこいようですが、事業に対する個別の要望・提案ではなく、がん
対策全般に関する意見交換をさせていただいています。

 いま書店に行くと経営学者ピーター・ドラッカーの関連本がたくさん積んで
あります。なかでも「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネ
ジメント』を読んだら」(岩崎夏海著、ダイヤモンド社)は、大ベストセラーに
なっているようです。ドラッカーに「非営利組織の経営」(ダイヤモンド社)と
いう本があります。ときに「NPOのバイブル」とも呼ばれているようです。非営
利組織が社会に果たす役割の大きさを押さえたうえで、非営利組織も社会のた
めに成果を最大化するためにマネジメントが大切としています。非営利組織は、
ある意味で営利企業以上に重要で、かつ経営も難しいのかも知れません。

 当センターは、米国ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院からプロジェ
クト運営に関する指導を受け、国内では外部委員による評価委員によって毎年
評価を受けています。この際、ドラッカーを読み「もしNPOマネージャーがドラ
ッカーの『非営利組織の経営』を読んだら」というつもりになって、みなさま
からのご意見も踏まえて、来年以降の事業計画を深めていきたいと思います。

 最後にひとつお願いです。このがん政策レターは今後、内容を充実させる予
定です。ぜひ、お知り合いにも購読を勧めてください。

                       (センター長 埴岡 健一)

##参考サイト##

プロジェクトの紹介
http://ganseisaku.net/mission/gan_project.html
がん政策サミット
http://ganseisaku.net/impact/events/gan_summit/
格差データ
http://ganseisaku.net/gap/data/gan/
アドボカシーワークブック ダウンロード
http://ganseisaku.net/impact/training/workbook/download.html
日本医療政策機構 寄付・助成の受領に関する指針
http://ganseisaku.net/mission/gan_supporters.html
がん政策情報センター  2010 年プロジェクト評価委員会開催報告(PDF)
http://ganseisaku.net/mission/gan_project.html/2010MeetingReport_final.pdf
がん政策レターの申し込み方法
http://ganseisaku.net/impact/mailmagazine/


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[2] がん対策レポート

今回はお休みさせていただきます。
次号をお楽しみに。


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[3] インフォメーション

●「がん政策サミット2011」、多数のご応募ありがとうございます

 がん政策サミット2011の参加者公募(対象:患者関係者)は2011年5月5日を
もって終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました。
議員、行政、医療提供者の方に対しては、今後、個別にご案内いたします。

>>「がん政策サミット2011」のページ
http://ganseisaku.net/impact/events/gan_summit/gan_summit_2011/


●患者が求めるがん対策 vol.2 ~がん患者意識調査2010年度版~
(報告書を掲載中)

 がん患者・経験者やその家族の声から、がん政策に関連する問題点や課題を
可視化するとともに、がん患者・家族のがん政策についてのニーズを把握する
目的のもと、2010年にがん患者識調査を実施いたしました。

 ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。

 調査結果をまとめ、報告書をがん政策情報センター・ウェブページに掲載し
ています。皆さまの活動にどうぞお役立てください。

>>患者が求めるがん対策 vol.2 ~がん患者意識調査2010年度版~
報告書掲載ページ
http://ganseisaku.net/impact/reports/gan_ishiki_2010.html


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[4] がん対策トピックス

>>平成23年度「世界禁煙デー」における取組及び「禁煙週間」の実施について
http://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/kin-en/11.html

>>震災によるがん診療連携拠点病院の被災状況及びがん患者受け入れ体制一覧
http://ganjoho.ncc.go.jp/public/news/2011/kyoten_taisei.html

>>平成22年度第3回福岡県がん対策推進協議会を開催しました
(福岡県、5月12日更新)
http://www.pref.fukuoka.lg.jp/b01/h22-3gantaisakusuishinkyo.html

>>しまねのがん対策(島根県、5月12日更新)
http://www.shimane-gan.jp/index.html

>>山梨のがん情報(山梨県、4月28日更新)
http://www.pref.yamanashi.jp/kenko-zsn/seizinhoken/ganjyouhou.html


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[5] がん対策ニュース

>>高額療養費 「年間上限額」 負担減へ厚労省が設定検討
〔毎日新聞、5月9日〕
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110509k0000e010077000c.html

>>新潟駅南口で10日から路上喫煙禁止 違反者には過料1000円
〔産経新聞、5月9日〕
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110509/ngt11050916490001-n1.htm

>>乳がん:お母さんの胸、検診で守ろう 元患者ら北区で啓発活動
〔毎日新聞、5月9日〕
http://mainichi.jp/area/okayama/news/20110509ddlk33040272000c.html

>>ウェブ授業「がんプロ」養成〔読売新聞、5月4日〕
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/feature/akita1304350591747_02/news/20110504-OYT8T00024.htm

>>がんセンター14年度に開所〔中国新聞、4月29日〕
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201104290014.html

>>全面禁煙:学校、幼稚園を 熊本市、たばこ対策指針改定--9月実施へ
〔毎日新聞、4月27日〕
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20110427ddlk43040515000c.html

※がん対策関連のニュースは下記にまとめて掲載しております。
http://ganseisaku.net/newsclip/


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日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センターでは定期的にメール
マガジンを配信しております。
配信の停止をご希望の方は、下記事務局まで、連絡してください。
今後とも当機構の活動へのご支援を何とぞよろしくお願い申し上げます。

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がん政策レター 2011/05/17(第43号)

発行所	:日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
発行人	:埴岡 健一
編集長	:沢口 絵美子

住所	:〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町2-5-3
Tel	:03-5614-7796
Fax	:03-5614-7795
E-mail	:gan_newsletter@hgpi.org
Web	:http://ganseisaku.net/
	 http://www.shimin-iryou.org/

Copyright(c) 2011 日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
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