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[がん政策レター 2011/07/12(第47号)]7月16日から、5回目の「がん政策サミット」を開催します

配信日付:2011年07月12日

━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2011/07/12(第47号)
■□   がん政策レター   □■  日本医療政策機構 市民医療協議会
━━━━━━━━━━━━━━━━━━ がん政策情報センター

がん政策レターでは、各地の「がん患者アドボケート」による活動やがん対策
の好事例を紹介し、がん医療の“均てん化”を目指します。

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東日本大震災により被災された皆さまには心よりお見舞いを申し上げます。
皆さまの安全と一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

[1] センター長コラム
[2] がん対策レポート
[3] インフォメーション
[4] がん対策トピックス
[5] 注目のコンテンツ
[6] がん対策~気になるデータ
[7] 患者さんが作る提言活動の手引き
[8] がん対策ニュース

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[1] センター長コラム

●7月16日から、5回目の「がん政策サミット」を開催します

 7月16日、17日、18日の3日間、東京都千代田区で「がん政策サミット2011」を開催しま
す。がん政策サミット(以下、がんサミット)の趣旨は、がん患者アドボケートを中心に、
がん対策に取り組む関係者が各地から一堂に会し、好事例を共有してがん対策に共に取り
組む動きを高めること。われわれはそのための“場”の提供を使命と考えています。

 開催5回目となる今回は、がん政策情報センタープロジェクト第1期(2009年1月~2011年
12月)のいわば“総集編”として、これまでのみんなの学びを改めて共有し、忘れないよ
うに定着させることが狙いです。これを機会に、がんサミットで好評だったワークショッ
プの手法などをツールキットとしてまとめ、いつでもどこでもだれでも実践できる一助と
する試みも行います。もちろん、いつものように、各地の新たな好事例の学習もしっかり
と行います。

 厚生労働省がん対策推進協議会患者関係委員の協力による、国のがん対策に関するパネ
ルディスカッションも開かれます。ここには、同協議会の会長と厚生労働省担当者もご参
加いただけることになっています。さらに、「復興シンポジウム:大震災から学ぶこと」
のコーナーも設けます。今回は、患者関係者約70人、議員関係者約35人、行政関係者約15
人、医療関係者約20人、総勢150人以上の参加が見込まれ、従来にない規模の大集会となり
ます。患者関係者の参加公募は終了しており、参加はご招待のみとなっておりますが、
報告レポートはウェブサイトに掲載しますので、内容と成果はそちらでご確認ください。

 これを機会に、これまでのがんサミットの歩みを軽く振り返っておきたいと思います。

 プロジェクトとしての第1回目「がん政策サミット2009春」は、2009年5月16日、17日に
行われました。6つの事例発表を中心とした好事例の共有セッションを行いました。また、
好事例集の冊子も作りました。国のがん対策推進協議会の予算提案書を素材とし、そのプ
ロセスと内容を学習しました。そして、がん対策に関する提案書を作成するシミュレーシ
ョンとなるワークショップを実施しました。翌日の18日は、有志による国会議員面談会を
実施し、作成した提案書を活用しつつ、がん対策の重要性を説明しました。

 第2回目の「がん政策サミット2009秋」は、2009年10月3日、4日でした。まず、3県のが
ん対策の好事例発表をじっくり聞きました。イベントが終わった直後、ある県会議員が全
国の自分の会派宛てに、「がん条例の制定とがん対策の強化」を推奨するレターを発出し
てくださったことが記憶に残っています。次に、都道府県がん対策予算について、その傾
向と対策をみんなで学びました。県庁のがん対策の現役担当者が、がん対策予算化の具体
的なコツを伝授してくださったのは、がんサミットならではの光景でした。たばこ対策を
考える特別セッションと欧州臨床腫瘍学会を見学した患者アドボケートによる海外研修報
告もありました。第2回がんサミットの際も、翌日に、有志による国会議員面談会を実施し
ました。

 第3回の「がん政策サミット2010春」は、2010年4月10日~12日の3日間でした。このとき
から、より多くの方が参加できるよう公募制を取り入れました。政権交代の可能性がある
衆議院選挙の前でしたから、テーマは、「患者と議員がつくるマニフェスト」とし、マニ
フェスト(政権公約)にがん対策を入れるとしたら、どんな内容がありえるかをシミュレ
ーションして案を作ることにしました。開催前の事前ワークと、期間中の4つのグループワ
ークセッションで、案をとりまとめました。医療政策担当の国会議員も議論に参加して、
意見を取りまとめている姿が印象的でした。

 3日目には、国会議員勉強会をし、集まった議員にマニフェスト案を渡し、がん対策の重
要性を訴求しました。時間的な制約があってマニフェスト案の文章は十分に熟議を重ねた
ものとは言えませんでしたが、「意見をとりまとめて形にして政策を作る人に届ける」と
いうプロセスを一貫して経験することができたため、参加者から「達成感を味わえた」と
いう声も聞かれました。

 4回目の「がん政策サミット2010秋」は、2010年11月6日~8日の3日間に開催しました。
テーマは「地域の条例と予算を動かす」でした。7つの県で実際に条例づくりに取り組んだ
議員や患者アドボケートから、事例発表がありました。そして、「条例の制定と運用の政
策指南」というQ&Aセッションでは、条例未制定県の関係者とすでに制定した県の関係者の
間で、実践に役立つ質疑応答が行われました。予算に関しても、好事例を他の県が実際に
参考にするという観点から、県庁担当者などからすぐ実践に役立つと思われるレクチャー
をいただきました。ランチタイムには、神奈川県知事(当時)からたばこ対策に関する講
演をいただきました。たばこ対策の重要性とともに、政策実現を牽引するリーダーシップ
についても、大きな学びの機会となりました。地域協働プログラムのひとつ「がん予防検
定」の仕組みを活用して、“たばこ対策検定”も行っていただきました。3日目には国立が
ん研究センターを訪問して、新理事長の話を聞いて意見交換を行いました。その後、国会
を訪問して国会議員とも意見交換を行いました。これがきっかけとなって、しばらく休眠
中であった超党派のがん対策議員連盟である「国会がん患者と家族の会」の活動が再開さ
れました。

 実は、がんサミットには前史があります。2007年12月8日には、「都道府県がん政策ワー
クショップ」を開催しています。これが各地のがん患者アドボケートが集まって交流する
というかたちの源流ともいえます。このときは、12月9日の「ACSU(米国がん協会・患者大
学)ミーティング」という、がん患者関係者のマネジメントスキルを養うための研修と併
催のかたちでした。そして、2008年9月27日、28日には、「がん政策サミット」を開催して
います。がん政策サミットの名前はここに発していますし、好事例の共有やワークショッ
プの導入など、がんサミットの基本パターンがこのとき作られ、それが発展してきました。

 がんサミットを開催するたびに、がん患者アドボケートのみなさんの熱気に圧倒されま
す。冒頭に全員の自己紹介が恒例となっていますが、役割意識の明確さ、実践の重さ、話
の上手さに毎回、驚きなおします。閉会時の感想発表も恒例ですが、多くの方が、自分が
何をしたいか明確に述べられるのにもびっくりします。参加者については、回を重ねるご
とに、患者アドボケートのみならず、県庁職員、議員関係者などがたくさん加わっていた
だいています。その中でワークショップにおいて、参加者のみなさんが立場を超えて一緒
に率直に熱心に話し会い、協調性をもって話をまとめ上げ、共に発表をする姿には、感動
さえ覚えることがあります。また、参加者からの質問に対し、患者関係者も行政関係者も
議員関係者も、「知っていることはできるだけ与えよう、共有しよう」と惜しみなく知恵
を出し合う姿が当たり前のように見られます。患者アドボケートが国会議員や県会議員と
闊達に話し合っている場面が普通に見られるようになってきました。がんサミットの開催
が一種のペースメーカーとなり、都道府県予算集、好事例集、患者アドボケートプロフィ
ールブック、格差データ集などの情報が整備されてきた側面もあります。ほぼすべての都
道府県からがん対策予算の詳細の提出がいただけるようになるとは、数年前には想像でき
なかったことかもしれません。これまでご理解ご協力いただいたみなさんに感謝していま
す。

 まさに患者アドボケートを中心にさまざまな立場の人々が協働する姿が年々高まってき
ているように感じます。場の提供をしている者としては、お手伝い冥利に尽きます。今年
もみなさんとの再会、新しい出会い、そしてこれまでにない成果を楽しみにしつつ、スタ
ッフ一同、準備の仕上げに励みたいと思います。(センター長 埴岡 健一)

参考サイト
>>がん政策サミット2009春
http://ganseisaku.net/impact/events/gan_summit/gan_summit_2009_spring/
>>がん政策サミット2009秋
http://ganseisaku.net/impact/events/gan_summit/gan_summit_2009_autumn/
>>がん政策サミット2010春
http://ganseisaku.net/impact/events/gan_summit/gan_summit_2010_spring/
>>がん政策サミット2010秋
http://ganseisaku.net/impact/events/gan_summit/gan_summit_2010_autumu/
>>がん政策サミット2011
http://ganseisaku.net/impact/events/gan_summit/gan_summit_2011/
>>「都道府県がん政策ワークショップ ACSUミーティング」を開催
http://ganseisaku.net/impact/events/gan_/9.1.html
>>日本医療政策機構:第2回メディアワークショップ「がん対策の格差と好事例」
(がん政策サミット2008の紹介あり)
http://hpij.exblog.jp/9942160/


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[2] がん対策レポート

●次期がん計画策定へ向け、現段階の進捗状況を報告

 第21回がん対策推進協議会が、6月29日、東京都千代田区で開かれ、門田守人新会長の
下、次期がん対策推進基本計画の策定に向けた話し合いがスタート。2007年度から始まっ
た現在の基本計画の進捗状況の確認や、前回までの協議会や専門委員会の報告が行われま
した。

>>第21回がん対策推進協議会レポート
http://ganseisaku.net/practices/reports/domestic/gan_kyougikai/21.html

>>第21回がん対策推進協議会資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001gxqf.html

>>厚生労働省関係審議会議事録等 がん対策推進協議会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008fcb.html#shingi1


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[3] インフォメーション

●厚生労働省委託事業「平成22年度 がん対策評価・分析事業」報告書を公開

 厚生労働省「平成22年度 がん対策評価分析事業」を受託し、がん診療連携拠点病院にお
いて外来通院中または入院中のがん患者とその家族を対象として、がん対策に関するアン
ケート調査を実施しました。
 厚生労働省の公開にあわせ、当機構ホームページにおいて結果報告書を公開しています。
ぜひご確認ください。

>>厚生労働省委託事業 平成22年度 がん対策評価・分析事業
「あなたの思いを聞かせてください!がん対策に関するアンケート調査結果報告書」
http://ganseisaku.net/impact/reports/gan_hyoka/index.html


●「がん予防を推進するたばこ対策、着眼点とデータ活用」を公開

 2011年度 がん対策白書 パート(1)「がん予防を推進するたばこ対策、着眼点とデータ
活用」を公開しました。
 日々のご活動に役立つ情報になるよう、日本のがん対策におけるたばこ対策の現状や、
たばこ対策の世界的な潮流などをまとめています。ぜひご覧ください。

>>2011年度 がん対策白書 パート(1)
「がん予防を推進するたばこ対策、着眼点とデータ活用」
http://ganseisaku.net/practices/whitepaper/gan_2011cancer_tobacco.1.html


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[4] がん対策トピックス

>>第4回 緩和ケア専門委員会(7月12日開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001hlv9.html

>>第5回 小児がん専門委員会(7月13日開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001hm4f.html


>>禁煙ポスターコンクールの作品募集!(新潟県、7月7日更新)
http://www.pref.niigata.lg.jp/kenko/1309813344373.html

>>「健康とくしま応援団」におけるたばこ対策の取り組み店舗の紹介(徳島県、7月7日更新)
http://www.pref.tokushima.jp/docs/2011052600061/

>>北海道のがん対策情報(北海道、7月6日更新)
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/kak/gantaisakujyouhou.htm

>>第52回がん制圧月間運動について(秋田県、7月5日更新)
http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1309831065292/index.html

>>リンパ浮腫についての勉強会が開催されます(秋田県、7月5日更新)
http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1309829528950/index.html


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[5] 注目のコンテンツ

●たばこの格差を確認しよう

 2008年の厚生労働省「国民健康栄養調査」によると、日本人の喫煙率は21.8%(男性
36.8%、女性9.1%)と報告されています。先進諸国の喫煙率と比較すると日本は高くな
っており、少しずつ喫煙率は減ってきているものの、若い女性だけでみると、喫煙率が高
まっているという問題が指摘されています。(アドボカシーワークブックより引用)

 「都道府県別喫煙率」のページでは、47都道府県の最大値と最小値の間を5段階に分け、
色で評価して示しています。男女ともに赤く塗られた北海道や大阪府は、対策が急がれる
地域といえます。

 ぜひ、皆さんも、自分の地域の喫煙率を確認してください。

>>都道府県別喫煙率(男性・女性)
http://ganseisaku.net/gap/data/gan/nations/smoking/prefectures/

>>国別の喫煙率(男性・女性)
http://ganseisaku.net/gap/data/gan/nations/


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[6] がん対策~気になるデータ

隔週で連載しています。
次号をお楽しみに。


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[7] 患者さんが作る提言活動の手引き

●患者さんが医療政策決定プロセスに参加する国

 第2章「マネジメント」では、アドボカシー活動を効果的に行うために、あなた自身や
あなたの所属する組織が、身につけておくと役に立つ考え方をまとめました。「マネジメ
ント」は日常生活や仕事の場面ですでに使っている考え方も多く身近なものです。難しく
とらえずに、アドボカシー活動に置き換えて、活用してみましょう。

>>患者アドボカシーワークブック
http://ganseisaku.net/impact/training/workbook/download.html

 個別テーマは、(1)対話力(2)文章力(3)広報戦略(4)コンセンサスビルディング
(5)ファンドレイジング(資金調達)(6)組織マネジメント--について記載しています。
対話力や文章力は、実際に提言を行う場面で最も必要とされるものでしょう。また、広報
戦略、コンセンサスビルディング、ファンドレイジング、組織マネジメントは、提言をより
効果のあるものにするための基盤を支える重要な役割を持っています。アドボカシー活動
において必要な考え方のみならず、NPOやボランティア組織の運営においても、お役立て
いただければ幸いです。
(プログラム・オフィサー 沢口 絵美子)


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[8] がん対策ニュース

>>サロン:乳がん患者らの場に きょう中区に開設 第1土曜に悩み相談/広島〔毎日新聞、7月2日〕
http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20110702ddlk34040483000c.html

>>がん経験の上原さん 米の現状学ぶ〔沖縄タイムス、6月30日〕
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-06-30_19895/

>>講演:がん情報サロン運営・佐藤さん、看護学生に 活動の歩み紹介 /島根〔毎日新聞、6月29日〕
http://mainichi.jp/area/shimane/news/20110629ddlk32040653000c.html

>>がん基本計画策定で、予算要求項目検討へ-がん対策推進協〔医療介護CBニュース、6月29日〕
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110629-00000004-cbn-soci

>>生活習慣や体質、がんなどにどんな影響? 佐久市臼田で長期調査〔信濃毎日新聞、6月29日〕
http://www.shinmai.co.jp/news/20110629/KT110628SJI090011000.html

※がん対策関連のニュースは下記にまとめて掲載しております。
http://ganseisaku.net/newsclip/


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日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センターでは定期的にメール
マガジンを配信しております。
配信の停止をご希望の方は、下記事務局まで、連絡してください。
今後とも当機構の活動へのご支援を何とぞよろしくお願い申し上げます。

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がん政策レター 2011/07/12(第47号)

発行所	:日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
発行人	:埴岡 健一
編集長	:沢口 絵美子

住所	:〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町2-5-3
Tel	:03-5614-7796
Fax	:03-5614-7795
E-mail	:gan_newsletter@hgpi.org
Web	:http://ganseisaku.net/
	 http://www.shimin-iryou.org/

Copyright(c)2011 日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
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