1. ホーム > 
  2. メールマガジン バックナンバー > 
  3. [がん政策レター 2011/07/26(第48号)]がん政策サミット2011、大盛会となりました

[がん政策レター 2011/07/26(第48号)]がん政策サミット2011、大盛会となりました

配信日付:2011年07月26日

━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2011/07/26(第48号)
■□   がん政策レター   □■  日本医療政策機構 市民医療協議会
━━━━━━━━━━━━━━━━━━ がん政策情報センター

がん政策レターでは、各地の「がん患者アドボケート」による活動やがん対策
の好事例を紹介し、がん医療の“均てん化”を目指します。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

東日本大震災により被災された皆さまには心よりお見舞いを申し上げます。
皆さまの安全と一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

[1] センター長コラム
[2] がん対策レポート
[3] インフォメーション
[4] がん対策トピックス
[5] 注目のコンテンツ
[6] がん対策~気になるデータ
[7] 患者さんが作る提言活動の手引き
[8] がん対策ニュース

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

[1] センター長コラム

●がん政策サミット2011、大盛会となりました

 7月16日から18日までの3日間開催した「がん政策サミット2011」が、盛会に閉幕いた
しました。ご参加、ご協力いただいた方々に心より感謝申し上げるとともに、この場を借
りて、がん政策レター読者の皆さまに簡単に報告をさせていただきます。詳細は、追って
掲載されるレポートをお読みください。

 参加者は約170人と、これまでの人数を大幅に上回りました。がん患者アドボケートを
中心に、がん対策に取り組む方々が集まって、より良いがん対策の実現のために語り合お
うという「場」が、さらに活性化していることを、集まった方々は実感していただけたの
ではないでしょうか。患者、現場、地域の声を、立場を越えて束ねることは、大切な観点
であると思われます。今回は、「四位一体(よんみ・いったい)」をキャッチフレーズに、
患者関係者のみならず、県の議会などの議員、県庁などの行政担当者、がん拠点病院の医
療関係者(医師)と、4つの立場が集まることがひとつのポイントでした。なかには、4つ
の立場いずれもから、合わせて10人前後の出席があった県もあり、まさに「四位一体のか
たち」と、注目を浴びていました。

 プログラムは多彩でしたが、まず、好事例の共有とネットワーキングに関連した一連の
内容をご紹介します。初日には参加者全員の自己紹介が恒例です。多数の参加者があるの
でけっこう時間がかかるのですが、やはり多士済々のみなさんの活動ぶりの一端をうかが
えることは貴重です。「うちの県でもがん対策推進条例づくりが始まりました」といった
ニュースもたくさん含まれています。

 参加者は全国から創意工夫と試行錯誤の末の知恵、経験、好事例などを持ち寄りますが、
今回は、「有志による、がん対策好事例の発表」のコーナーで、9つのケースが紹介されま
した。県や国の政策を動かそうとするもの、自分たちのプロジェクトで地元に実際の変化
を早くもたらそうとするもの、かたちはさまざまです。多くの事例が、行政や医療関係者、
地域住民などを巻き込んだ取り組みでした。この9つは、全国で展開されている多くの活動
の一部ではありますが、多くのヒントを含んでおり、「さっそく同様に取り組みを始めた
い」、「自分たちの取り組みの改善のヒントをもらった」といった感想も聞かれました。

 2日目には、たっぷりと時間を使ってみんなで3つのワークショップを行いました。がん
対策の個別の中身ではなく、「がん対策の動かし方のノウハウの好事例」を共有すること
が狙いです。これまで各地で患者がおかれる実態に関するアンケートが行われたり、意見
を集めるためのタウンミーティングが開催されたり、がんサミットでも課題解決のための
グループワークを開くなど、さまざまな手法が模索されてきました。がん対策に限らず、
政策や事業における方針や計画に関する抽出や評価に使われている手法も多々あります。
それを自由に使いこなし、継続的・恒常的に活用できるようになろうというのが趣旨です。
参加者アンケートに基づいてワークのテーマを「がん患者の悩みを解決する」とし、この
領域における「現状の課題」、「あるべき姿」、「あるべき姿になることを阻害している
要因」、「阻害要因を排除して問題解決をもたらすと考えられる対策」、「その対策の目
標と成果をもたらすと期待できる活動の概要」・・・などを考えました。

 今回のサミットのワーク実施に合わせ、既存のアドボカシーワークブックの別冊ツール
キットとして、「がん対策 課題解決の7つ道具(試作版)」を作成しました。これから、
各地でがん対策を検討し継続して評価・改善する作業を行う際に、参考書としてご活用い
ただけるものになれば幸いです。最終日には、参加者が3日間のがんサミットの感想とこれ
からの抱負を、語りました。具体的な活動方針や目標を述べる方もたくさんおられました。

 次に特別企画を2つご紹介します。2日目に「特別プログラム もっと知りたい がん対
策基本法:がん対策推進計画について」を、厚生労働省がん対策推進協議会の患者関係委員
(今回のがんサミットに参加された3名)のご協力によって開くことができました。同協議
会会長と厚労省のがん対策推進室長が参加して、参加者の質問にたくさん答えていただき
ました。同協議会が各地からの声をさらに受け止め、同時に、各地のがん患者アドボケー
トが国の計画への関心をより高めていく・・・。そんな方向性を感じ取れるコーナーとな
りました。また、国のがん対策に関連が強い事項としては、超党派の国会議員連盟である
「国会がん患者と家族の会」の代表世話人と事務局長から、がん患者アドボケートへの応
援メッセージをいただき、披露させていただきました。

 3日間のプログラムの冒頭には、「大震災から学ぶこと 復興シンポジウム」の時間を
持ちました。事前に、この度の東日本大震災をはじめとした震災により被災した方々や関
係者を対象としたアンケートを行って情報を収集しました。そして当日は、被災を経験し
た患者さん、被災地域のがん医療機能全般を熟知した医師、現地支援に参加した行政担当
者、現地に何度も足を運んだジャーナリストをパネリストとし、現地支援の実践経験があ
る政策立案に詳しいモデレーターが話をとりまとめました。参加者にとって、改めて自分
たちに何ができるか、この災害から何を学ぶべきかなどを、真剣に振り返る機会となった
ようです。

 がん政策情報センタープロジェクト第1期(2009~11年)において計画していたがん政策
サミットの開催は、今回の第5回をもっていったん終了となります。ただし、このような
地域の立場が異なる人々が一堂に会して、実践に向けた地域や国のがん対策を議論する機
会はやはり貴重だと思われます。多くの方々から、継続開催の希望も寄せられました。こ
れまでご協力・ご参加いただいたすべての皆さまに感謝の意を表します。また、われわれ
としては、来年度以降の活動計画の中に、より進化したがん政策サミットの開催が盛り込
めるよう、精一杯努力するつもりです。(センター長 埴岡 健一)

参考サイト
>>がん政策サミット2011
http://ganseisaku.net/impact/events/gan_summit/gan_summit_2011/


━━━━━━━━━━━━━━━━━━

[2] がん対策レポート

今回はお休みさせていただきます。
次号をお楽しみに。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━

[3] インフォメーション

●「がん政策サミット2011」を開催しました

 7月16日から18日に、当機構主催の「がん政策サミット2011」を開催しました。
全国のがん対策推進協議会等の患者関係委員および公募を経て集まった患者リーダー73人
(31都道府県)、国会議員及び秘書8人、都道府県県議会議員25人(15都道府県)、市議会
議員3人(3市)、都道府県庁のがん対策担当者21人(18都道府県)、がん診療連携拠点病
院の医師10人(10県)など、総勢172人の方にご参加いただきました。お忙しい中お越し
いただきました皆さま、心よりお礼申し上げます。

 当日のプログラムと、発表スライドを公開しております。ぜひ、ご覧ください。

>>がん政策サミット2011
http://ganseisaku.net/impact/events/gan_summit/gan_summit_2011/

なお、開催レポートは、近日中に公開予定です。


●「格差データ」に気になる項目を追加!

 がんの格差データに、3つの項目が新たに加わりました。

「ホスピス病床数」
国が定める施設基準を満たした緩和ケア病棟から算出したものです。
http://ganseisaku.net/gap/data/gan/prefectures/doctor/hospice/2010/all.html

「在宅死亡率」
在宅医療の普及や充実とも関係してくる指標です。
http://ganseisaku.net/gap/data/gan/prefectures/doctor/zaitaku/2009/all.html

「75歳以上人口の伸び率」
これからの20年間での人口構成の移り変わりが示されています。
http://ganseisaku.net/gap/data/gan/prefectures/jinkonobiritsu/all/2010_2030/all.html

 いずれのページでも、47都道府県の最大値と最小値の間を5段階に分け、色で評価して
示しています。
ぜひ、お住まいの地域の医療の状況を把握するのに役立ててください。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━

[4] がん対策トピックス

>>第6回 小児がん専門委員会(7月26日開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001ipxu.html

>>第22回 がん対策推進協議会(7月27日開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001jkqr.html


>>がんの相談・支援・緩和ケアのご案内(岩手県、7月19日更新)
http://www.pref.iwate.jp/view.rbz?nd=137&of=1&ik=1&pnp=51&pnp=94&pnp=137&cd=33455

>>がんセンターの新病院を紹介します(埼玉県、7月16日更新)
http://www.pref.saitama.lg.jp/page/shinbyouin-gaiyou.html

>>「がん 愛のフォーラム IN 秋田」の開催(秋田県、7月13日更新)
http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1310449615151/index.html

>>平成22年度がん対策施策報告書について(秋田県、7月11日更新)
http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1310108888872/index.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━

[5] 注目のコンテンツ

●がん条例の有無をチェックしよう

 地域のがん対策を高めるには「がん対策推進条例」が有効であるとの認識から、各地で
条例の制定に向けた動きが広がっています。既に15府県7市区町で制定済みで、そのうち、
4府県2市は2011年に制定されたものです。

 各地の条例には、それぞれ特色があります。例えば、大阪府では、がんの種類別に対策
を明記しております。秋田県では、「知事は、毎年、がん対策の推進に関し、県が講じた
施策を明らかにする報告書を作成し、県議会に提出するとともに、これを公表する」と
しています。

 皆さんも、自分の地域に条例があるか、確認してください。もし、まだなければ、各地
域の条例の良いところを集めた条文を考えてみてはいかがでしょうか。

>>都道府県のがん対策に関する条例
http://ganseisaku.net/practices/archives/law/gan_local.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━

[6] がん対策~気になるデータ

●がん患者さんやご家族の感じる、がん治療にかかった費用の負担感について

 このコーナーでは、がん対策に関連する気になる情報やデータをご紹介します。
今回はがん治療にかかった費用の負担感について注目します。

 がんの治療にかかった費用はどのくらいの負担感があるものでしょうか。当機構で実施
したがん患者意識調査(2009年度、2010年度)では2回の調査ともに、7割以上の方が
「負担が大きい」と回答しています(09年度調査では「とても負担が大きい」との回答が
30.5%、「やや負担が大きい」が40.9%、10年度調査では「とても負担が大きい」が29.5%、
「やや負担が大きい」が41.4%)。また、10年度の調査では、回答者のうち5.7%が、経済
的負担が原因となって治療を中断・変更した経験があると回答されました。

>>患者が求めるがん対策~1600人のがん患者意識調査~(2009年度調査)
http://ganseisaku.net/impact/reports/gan_ishiki_2009/
>>患者が求めるがん対策 vol.2 ~がん患者意識調査2010年度版~(2010年度調査)
http://ganseisaku.net/impact/reports/gan_ishiki_2010.html

 がんの治療にかかる費用については、高額かつ長期にわたることが多く、患者さんに経
済的な負担を強いる問題として、取り上げられるようになってきました。例えば、2010年
の3月に開催された「第12回がん対策推進協議会」において、患者の立場から会議に参加し
ている委員有志から「がん患者の経済的負担の軽減に関する意見書」が提出されています。

 がんの治療費に関するさまざまな研究も行われています。例えば、がん患者さんの負担
の実態を正確に把握し負担を最小化する方策を検討した、厚生労働科学研究費補助金第3次
対がん総合戦略研究事業「がんの医療経済的な解析をふまえた患者負担最小化に関する研
究」の報告書が公開されています。

>>厚生労働科学技術研究成果データベース
http://mhlw-grants.niph.go.jp/index.html
※閲覧システムにて「がんの医療経済的な解析をふまえた患者負担最小化に関する研究」
と、報告書名で検索すると、研究結果報告書が閲覧できるようになっています。

 また、経済面における重要なテーマとして、がん患者さんの就労に関する研究もなされ
ています。平成22年度 厚生労働省 がん研究助成金による研究班「働くがん患者と家族に
向けた包括的就業支援システムの構築に関する研究」のウェブページでは、定期的に開催
されている勉強会などの情報を得ることができます。

>>平成22年度 厚生労働省 がん研究助成金による研究班「働くがん患者と家族に向けた包括
的就業支援システムの構築に関する研究」
http://www.cancer-work.jp/

さまざまなデータを参考にしながら、「経済面の痛み」が解消されるような策の検討が進
むことが期待されています。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━

[7] 患者さんが作る提言活動の手引き

●アドボカシー活動をマネジメントする

 患者さんの立場で提言活動(アドボカシー)を行っている皆さんからは、活動のための
時間や資金、一緒に活動をする人材の確保の仕方などについて、お悩みをうかがうことが
多くあります。ほとんどの方が、療養中であったり、お仕事やご家庭と両立をしながら患
者アドボカシー活動に取り組んでおられることもあり、こうした悩みがより自覚されるこ
ともあるでしょう。

 アドボカシーワークブックは、患者アドボケートの皆さんに、効率よく効果的な活動す
るための一助としてほしい、という思いで先輩アドボケートの皆さんの持つノウハウをま
とめた冊子です。特に「第2章マネジメント」では、皆さんの熱意を、確かな成果につな
げるための基礎となる部分について紹介しています。

>>患者アドボカシーワークブック
http://ganseisaku.net/impact/training/workbook/download.html

 アドボカシー活動で達成したい目標は、どんなものでしょうか。それを達成するために
必要な成果(アウトカム)は、何でしょうか。アドボケートには現状の課題を解決したい
という強い動機がしばしば存在しています。マネジメントのノウハウをアドボカシー活動
に生かすことができれば、少ない資源で大きな成果を得られるかも知れません。
(プログラム・オフィサー 沢口 絵美子)


━━━━━━━━━━━━━━━━━━

[8] がん対策ニュース

>>在宅医療充実へ始動 99月に実態調査〔朝日新聞、7月20日〕
http://mytown.asahi.com/tochigi/news.php?k_id=09000001107200004

>>ホスピス緩和ケア病棟 高松市内に初めて設置〔産経新聞、7月20日〕
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110720-00000012-san-l37

>>がん治療に医療連携手帳 県が初、秋までに本格運用〔下野新聞、7月18日〕
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20110717/567337

>>「喫煙ルール徹底を」黒岩知事が片瀬東浜海水浴場訪問/藤沢〔神奈川新聞、7月18日〕
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1107180040/

>>がんと就労 心の痛み(5) 諦めていた子ども授かった〔朝日新聞、7月18日〕
http://www.asahi.com/health/ikiru/TKY201107170289.html

>>受動喫煙防止条例:全国一厳しく、県が策定へ スーパーも銀行も全面禁煙/兵庫〔毎日新聞、7月16日〕
http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20110716ddlk28010384000c.html

>>病院別がんデータ公表へ 診療拠点の全国359施設〔共同通信、7月15日〕
http://www.47news.jp/CN/201107/CN2011071501000895.html

※がん対策関連のニュースは下記にまとめて掲載しております。
http://ganseisaku.net/newsclip/


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センターでは定期的にメール
マガジンを配信しております。
配信の停止をご希望の方は、下記事務局まで、連絡してください。
今後とも当機構の活動へのご支援を何とぞよろしくお願い申し上げます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
がん政策レター 2011/07/26(第48号)

発行所	:日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
発行人	:埴岡 健一
編集長	:沢口 絵美子

住所	:〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町2-5-3
Tel	:03-5614-7796
Fax	:03-5614-7795
E-mail	:gan_newsletter@hgpi.org
Web	:http://ganseisaku.net/
	 http://www.shimin-iryou.org/

Copyright(c) 2011 日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●がん政策レターのバックナンバーは下記URLよりご覧ください。
http://ganseisaku.net/impact/mailmagazine/gan_/

●がん政策レターを購読ご希望の方は下記URLにアクセスしてください。
https://shimin-iryou.org/plugins/cch/mailmagazine/index.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
			

※バックナンバーは発行当時のものを掲載しております。リンク先などが変更になった場合は、該当記事などが表示されないことがありますのであらかじめお断りいたします。

バックナンバー

このページの先頭へ戻る