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[がん政策レター 2012/05/01(第68号)]政策決定プロセス変革にアドボカシーはどう関わっていく?

配信日付:2012年05月01日

━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2012/05/01(第68号)
■□   がん政策レター   □■  日本医療政策機構 市民医療協議会
━━━━━━━━━━━━━━━━━━ がん政策情報センター

がん政策レターでは、各地の「がん患者アドボケート」による活動やがん対策
の好事例を紹介し、がん医療の“均てん化”を目指します。

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[1] センター長コラム
[2] がん対策レポート
[3] インフォメーション
[4] がん対策トピックス
[5] がん対策ニュース
[6] おわびと訂正

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[1] センター長コラム

●政策決定プロセス変革にアドボカシーはどう関わっていく?

 ゴールデンウィークに入りました。みなさん少しはゆっくりされているでしょうか。
あるいは、ボランティア活動のイベントなどで、ますます忙しくされているでしょうか。
こちらの、がん政策情報センターのオフィスは、5月11日から13日の「がん政策サミット
2012春」の準備の山場を迎え、あわただしくしています。さて、今日は、がん患者アド
ボカシー(政策提言活動)とも関連があるので、私が関わっている市民医療協議会以外
の活動から、2つのトピックを取り上げてみます。

 4月15日、「医療基本法に向けて。今こそ」という公開シンポジウムが開催されました。
「患者の声を医療政策に反映させるあり方協議会(以下、患者の声・協議会)」が主催
し、「患者の権利法をつくる会」と「医療政策実践コミュニティー・医療基本法制定チ
ーム」が共催しました。私は、患者の声・協議会の世話人をしており、パネルディスカ
ッションの司会をいたしました。

 医療の分野に関しては現在、全体をまとめる形の基本法がありません。医療に関する
法律や制度が入り組んでおり、制度改革が一筋縄でいかなくなっているという現象も起
こっています。また、医療に関わるさまざまの立場の役割や、意見集約の過程が不明確
なため、なかなか方針が決まらなかったり、決まった方針が実行できなかったりするこ
とも発生しています。より良い医療を実現するためにより良い政策を作るには、医療基
本法の制定が急務というわけです。

 主催・共催の3つの団体は、この日「医療基本法 共同骨子」を発表しました。「高度
の公共性に則った、患者本位かつ相互信頼に基づいた医療を構築することで、憲法25条
の生存権と13条の幸福追求権が具現化されるよう、医療基本法を制定する」とし、骨子
として、「医療の質と安全の確保」「医療提供体制の確保」「財源の確保と国民皆保険
制度の堅持」「患者本位の医療」「国民参加の政策決定」「関係者の役割と責務」の6項
目をあげました。超党派の国会議員による議員立法により基本法の制定を要望していま
す。患者・市民関係者だけでなく、日本医師会が3月に「“医療基本法”の制定に向けた
具体的提言」を発表するなど、医療基本法を求める声は、さまざまな立場の人の間にも
広がっています。

 この日出席した6政党の国会議員(1党はメッセージのみ)は、医療基本法制定の必要
性と議員立法によって早期に制定することについて、意見が一致しました。制定プロセ
スと制定時期などについては微妙な違いはあるものの、各党に持ち帰って検討し何らか
の具体的な行動へ進めることについても、共通認識でした。医療基本法の制定が現実味
を帯びてきたといえそうです。患者・市民、医療提供者、政策立案者などいずれの立場
にとっても、医療基本法ができれば、抱えていた難題が解きやすくなる可能性が高まり
ます。患者・市民の政策立案プロセスへの参加促進への大きな弾み車にもなるでしょう。

 東京大学公共性政策大学院の医療政策教育・研究ユニットでは、医療政策実践コミュ
ニティーという“社会人の自主的勉強会”を行っており、私は事務局を担当しています。
4月から2年度目が始まりました。もしご興味があれば、どんな内容か1年目の活動報告の
冊子をお読みください。「患者支援者」「政策立案者」「医療提供者」「メディア」の4
つの立場の人がほぼ同数ずつ合計40人集まり、1年間、「医療を動かす」をモットーに共
同活動を行っていきます。立場の違う人が集まって一緒にグループ研究を行い、政策提
言、事業計画、研究報告書などの成果物を作成するところが醍醐味となっています。年
度の当初は、さまざまな講師によるレクチャーがあります。

 本年度は、曽根泰教氏による「日本の政策決定プロセス」と、野田智義氏の「リーダ
ーシップの旅」の回がすでに終わりました。日本の民主主義はどうなるのか、政治改革
はどっちに進んでいくのか、現状の政策決定プロセスはどうなっているのか、これから
どうなっていくべきなのか、そんな基本的なことを議論するのは、とても興味深いです。
また、よいリーダーとは何か、人はいつどのようにリーダーになっていくのか、どうし
たらリーダーになれるのか、そんな真剣な問いかけにさらされるのも、大きな刺激があ
ります。事務局として運営に関わりつつも、とても勉強させてもらっています。

 医療基本法も政策プロセス論もリーダーシップ談義も、やはりがんアドボカシー活動
と大いに関連してくるところがあります。そういう意味では、曽根氏と野田氏の著作や
活動は、両方ともアドボカシーワークブックの重要な参考資料に入ってくると思います。
(センター長 埴岡 健一)

参考サイト

>>患者の声を医療政策に反映するあり方協議会
http://www.patients-voice.jp/
>>医療政策実践コミュニティー 第1期活動報告
http://www.pp.u-tokyo.ac.jp/HPU/news/2012/documents/H-PAC_01_report.pdf
>>慶應義塾大学DP研究センター(曽根泰教氏関連)
http://keiodp.sfc.keio.ac.jp/
>>ISL(野田智義氏関連)
http://www.isl.gr.jp/
>>アドボカシーワークブック・ダウンロード
http://ganseisaku.net/impact/training/workbook/download.html


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[2] がん対策レポート

今回はお休みさせていただきます。
次号をお楽しみに。


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[3] インフォメーション

●「がん政策情報センター」トップページをリニューアルしました

 トップページから目的のページに行きづらいとの声から、使い勝手改善のため、
トップページをリニューアルしました。

 今後ともよろしくお願いします。

>>がん政策情報センター
http://ganseisaku.net/

>>市民医療協議会
http://shimin-iryou.org/


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[4] がん対策トピックス

>>がん情報サービス〔4月26日更新〕
http://ganjoho.jp/public/index.html


>>しまねのがん対策〔4月27日更新、島根県〕
http://www.shimane-gan.jp/index.html

>>北海道のがん対策情報〔4月25日更新、北海道〕
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/kth/kak/gantaisakujyouhou.htm

>>健康推進課がん対策室〔4月25日更新、秋田県〕
http://www.pref.akita.lg.jp/www/genre/0000000000000/1238473618657/index.html

>>長野県のがん対策〔4月24日更新、長野県〕
http://www.pref.nagano.lg.jp/eisei/hokenyob/kenzo/g_taisaku/g_taisaku.htm

>>広島がんネット〔4月24日更新、広島県〕
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/gan-net/

>>がん生活習慣病対策課〔4月23日更新、青森県〕
http://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kenko/ganseikatsu/index.html

>>骨髄バンクについて〔4月23日更新、愛媛県〕
http://www.pref.ehime.jp/h25300/zouki/index.htm

>>がんに関するセミナー〔4月17日更新、茨城県〕
http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/hoken/yobo/cancergroup/index/index.html

>>【村上】骨髄バンク〔4月16日更新、新潟県〕
http://www.pref.niigata.lg.jp/murakami_kenkou/1286312458880.html


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[5] がん対策ニュース

>>県がん対策推進計画:「策定に当事者の声を」推進協委員、半数の5人公募/広島[4月26日、毎日新聞]
http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20120426ddlk34040596000c.html

>>緩和ケア、取り組み課題の選別開始-厚労検討会、夏ごろに中間報告[4月25日、CBNews]
http://news.livedoor.com/article/detail/6503026/

>>京浜臨海部で推進へ協議会、再生医療など状況報告/川崎[4月25日、神奈川新聞]
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1204240036/

>>鳥栖市議会:がんセンター免税可決 来年度から20年間で14億円/佐賀[4月24日、毎日新聞]
http://mainichi.jp/area/saga/news/20120424ddlk41010545000c.html

>>胃がん内視鏡手術、宮城、京都、新潟が上位-2009年「院内がん登録」分析[4月23日、CBNews]
http://news.livedoor.com/article/detail/6496166/

※がん対策関連のニュースは下記にまとめて掲載しております。
http://ganseisaku.net/newsclip/


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[6] おわびと訂正

 前号がん政策レター(2012/04/17配信、第67号)のセンター長コラム内に一部誤りが
ございました。

   誤)この北海道がん対策推進委員会委員が公募されています(4月8日まで)。
   正)この北海道がん対策推進委員会委員が公募されています(4月18日まで)。

 おわびして訂正いたします。


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日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センターでは定期的にメール
マガジンを配信しております。
配信の停止をご希望の方は、下記事務局まで、連絡してください。
今後とも当機構の活動へのご支援を何とぞよろしくお願い申し上げます。

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がん政策レター 2012/05/01(第68号)

発行所	   :日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
発行人/編集長:埴岡 健一

住所	   :〒102-0083 東京都千代田区麹町2-10-10-101
Tel	   :03-3222-6532
Fax	   :03-3222-6535
E-mail	   :gan_newsletter@hgpi.org
Web	   :http://ganseisaku.net/
	    http://www.shimin-iryou.org/

Copyright(c) 2012 日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
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