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[がん政策レター 2013/06/04(第96号)]がん政策サミットで有識者が示した「好事例についての考え方」

配信日付:2013年06月04日


━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2013/06/04(第96号)
■□   がん政策レター   □■  日本医療政策機構 市民医療協議会
━━━━━━━━━━━━━━━━━━ がん政策情報センター

がん政策レターでは、各地の「がん患者アドボケート」による活動やがん対策
の好事例を紹介し、がん医療の“均てん化”を目指します。

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[1] センター長コラム
[2] がん対策レポート
[3] インフォメーション
[4] がん対策トピックス
[5] がん対策ニュース


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[1] センター長コラム

● がん政策サミットで有識者が示した「好事例についての考え方」

 今回のセンター長コラムでは、5月17日~19日に開催したがん政策サミット
から、内容の一部をご紹介します。「県計画の好事例を共有する」ために、
がん対策の分野別に11のセッションを行いました。各セッションは、全国の
県計画を読んだ患者関係者の発表、全国の県計画を読んだ有識者の発表、参
加者一同の意見交換--という構成となっていました。全体レポートは近日
中に掲載されますが、今日はそのうち、有識者発表から「何をもって好事例
と考えるか」に関連したところを、ひとことずつピックアップしてみます。

 患者関係者、有識者全員の当日発表資料はウェブサイトに掲載しています。
どの県が好事例として挙げられたかも、記載されています。これらの資料を
ぜひ読んでみてください。

〔セッション1 役割分担〕
(国立保健医療科学院統括研究官 今井博久さん)
 行政や医師にがん対策の推進をプッシュするだけでは不十分で、患者関係
者の参加が重要。県庁のどの部門かを含めて、だれが何をいつまでにやるか
といった、具体的な役割分担を伴った詳細な工程表を作成することが大切で
ある。

〔セッション2 小児がん〕
(広島大学病院小児外科教授 檜山英三さん〕
 難治再発症例は「小児がん拠点病院」に集約すると同時に、標準治療で治
癒可能な例は地域の基幹病院で治療し、かつ地域で長期フォローアップがで
きるといった、地域でのネットワークをいま地域にある医療資源で形成して
いくことが重要である。

〔セッション3 がんと診断された時からの緩和ケアの推進〕
(帝京大学医学部内科学講座教授、帝京がんセンター長 江口研二さん)
 県によって医療事情が異なるので、それに応じた対策にすることが重要。
地域のキーパーソンの考え方や認識の差を知っておくことが必要。施策をし
た結果、何がどの程度よくなったかを把握するための「アウトカム評価計画」
を盛り込むようにすべきである。

〔セッション4 がん患者の就労を含めた社会的な問題〕
(国立がん研究センターがん対策情報センター がんサバイバーシップ支援研
究部長 高橋都さん)
 計画を策定した時点で連携先が固有名詞で書かれるなど、具体的な連携相
手が想定されているとよい。地元の事情に基づき、関係者によく相談し、キ
ーパーソンを巻き込んでおくことが重要となる。計画を始めた後も、好事例
を参考にどんどん変えていくとよい。

〔セッション5 がんに関する相談支援と情報提供〕
(国立がん研究センターがん対策情報センター がん情報提供研究部長 高山
智子さん)
 やるべきことの全体像が俯瞰でき、実態を把握した上での分析を踏まえ、
具体的な計画となっていることが重要である。また、地域の視点で作られて
いること、継続的に協議や検討をする場と役割が書かれていることも大切と
なる。

〔セッション6 がんの教育・普及啓発〕
(ジョージメイソン大学ヘルスコミュニケーション教授 ギャリー・クレッ
プスさん)
 適切な情報の提供は、がん対策に大きな変化をもたらす力がある。戦略的
に取り組み、モデルやツールを試すことが重要で、その情報を誰に伝えるべ
きかという観点が大切となる。すでにある好事例を実行していくことがポイ
ントとなる。

〔セッション7 放射線療法・化学療法・手術療法の更なる充実とチーム医療
の推進/医療従事者の育成〕
(読売新聞社東京本社編集局社会保障部記者 本田麻由美さん)
 専門医数やチーム数の目標値は、単なる数合わせでは意味がない。実際に
面的な連携をいかに構築するかの観点が重要。限られた人材をいかに有効活
用するかが大切である。声を上げた先人たちの功績を忘れず、患者や住民が
関わっていくことも欠かせない。

〔セッション8 地域の医療・介護サービス提供体制の構築・在宅医療〕
(日本経済新聞社大阪本社編集局社会部記者 前村聡さん)
 「だれがどうする」と主語が書かれるなど、中心となる組織や人が明確化
されていることが重要。この分野では、医療関係者が主体的に動くようにな
っていることが欠かせない。顔の見える人のつながりができていることや、
目標が適切であることも大切である。

〔セッション9 がんの予防〕
(国立がん研究センターたばこ政策研究部長 望月友美子さん)
 現状分析と科学的根拠に基づいており、国の方針を踏まえつつ独自の方向
性を打ち出していることを重視する。絵に描いた餅にならぬよう、だれがど
んな予算でやるのかを含めた工程が示されていることが重要。地域のNPOなど
パートナーとの協働が大切である。

〔セッション10 がんの早期発見〕
(国立がん研究センターがん予防・検診研究センター検診研究部研究員 雑
賀公美子さん)
 科学的根拠のある検診を実施するという「アセスメント」、事業評価と精
度管理をしっかりと行う「マネジメント」、より多くの人に受診してもらう
「受診率の向上」の3点セットすべてが、きっちりと書かれて、そして実行さ
れることが重要である。

〔セッション11 評価と指標〕
(東京大学大学院医学系研究科医療品質学講座特任助教 大久保豪さん)
 全体目標を達成するために有用かという「有用性」、進捗を正確に反映し
ているかの「正確性」、手続きと合意を経ているかの「正当性」、測定と評
価が実際に可能であるかという「実現可能性」の4つの視点で、県計画の評価
方法を見ることができる。

 私は最初のセッションが始まる前に、オリエンテーション(全体説明)を
いたしました。そこで、各セッションにおいて、「患者関係者発表」「有識
者発表」「意見交換」の3つのパートが「引き算でなく、足し算となり、さら
に掛け算となれば・・・」と述べましたが、まさに、参加者の認識と意識が
ダイナミックに高まっていく相乗効果を参加者のみなさんが生んでいるのを
感じました。

 冒頭にも書きましたが、ぜひ各演者の発表資料に目を通してください。そ
して、これらの資料も活用し、地域の六位一体の有志たちで「地元版のミニ
がん政策サミット」を開催してみてはいかがでしょうか。日時を教えていた
だければ、私もできるだけ見学させていただきたいと思います。
(センター長 埴岡 健一)

参考サイト

>>がん政策サミット2013 開催レポート 発表資料
http://ganseisaku.net/gan_summit_detail.html?cid=139


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[2] がん対策レポート

今回はお休みさせていただきます。
次号をお楽しみに。


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[3] インフォメーション

今回はお休みさせていただきます。
次号をお楽しみに。


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[4] がん対策トピックス

>>がん情報サービス〔5月28日更新〕
http://ganjoho.jp/public/index.html

>>第2回がん診療提供体制のあり方に関するワーキンググループの開催について
〔5月31日更新、厚労省〕
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000033fea.html


>>かながわのがん対策〔6月3日更新、神奈川県〕
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f417303/

>>ぎふがんねっと〔5月31日更新、岐阜県〕
http://gifugan.net/

>>健康推進課がん対策室〔5月30日更新、秋田県〕
http://www.pref.akita.lg.jp/www/genre/0000000000000/1238473618657/index.html

>>福島県のがん検診情報について〔5月30日更新、福島県〕
http://www.pref.fukushima.jp/kenko/examination%20for%20cancer/00examination/00examination.htm

>>佐賀のがん情報〔5月30日更新、佐賀県〕
http://www.pref.saga.lg.jp/web/kurashi/_1019/gan/top.html

>>北海道のがん対策情報〔5月29日更新、北海道〕
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/kth/kak/gantaisakujyouhou.htm

>>山梨のがん情報〔5月29日更新、山梨県〕
http://www.pref.yamanashi.jp/kenko-zsn/seizinhoken/ganjyouhou.html

>>しまねのがん対策〔5月29日更新、島根県〕
http://www.shimane-gan.jp/index.html

>>がんネット〔5月24日更新、兵庫県〕
http://web.pref.hyogo.lg.jp/kf16/gan2.html


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[5] がん対策ニュース

>>がん研究戦略の報告書案は「整合性ない」[5月30日、CBNews]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130530-00000000-cbn-soci

>>がん診療拠点の空白解消へ検討開始-厚労省WG、7月にも要件案まとめ[5月29日、CBNews]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130529-00000008-cbn-soci

>>がん患者の3割超が「人生の点数上がった」[5月28日、CBNews]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130528-00000000-cbn-soci

>>在宅がん患者、端末で支援…症状送り看護師助言[5月25日、読売新聞]
http://www.yomiuri.co.jp/net/news0/20130525-OYT1T00564.htm

>>がんの予防強化と早期発見を推進[5月22日、チューリップテレビ]
http://www.tulip-tv.co.jp/news/detail/?TID_DT03=20130522185952

※がん対策関連のニュースは下記にまとめて掲載しております。
http://ganseisaku.net/newsclip.html


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日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センターでは定期的にメール
マガジンを配信しております。
配信の停止をご希望の方は、下記事務局まで、連絡してください。
今後とも当機構の活動へのご支援を何とぞよろしくお願い申し上げます。

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がん政策レター 2013/06/04(第96号)

発行所	   :日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
発行人/編集長:埴岡 健一

住所	   :〒102-0083 東京都千代田区麹町2-10-10-101
Tel	   :03-3222-6532
Fax	   :03-3222-6535
E-mail	   :gan_newsletter@hgpi.org
Web	   :http://ganseisaku.net/
	    http://www.shimin-iryou.org/

Copyright(c) 2013 日本医療政策機構 市民医療協議会 がん政策情報センター
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