大阪では今から40年以上前の1962年から「大阪府がん登録」という事業が続けられています。その成果は国際水準の正確さを満たすがんの統計資料として蓄積されており、府民の貴重な財産です。
また大阪府には、がん診療連携拠点病院や府独自の指定によるがん診療拠点病院が年に一度提出する膨大な資料、現況報告書があります。
しかし、この貴重な資料は単なるデータとしてバラバラに存在しています。専門知識がなければ解読が難しく、だれもが活用できる状況にはありません。
「大阪府がん登録」の統計資料や拠点病院の現況報告書は、利用者の目線で整理し直せば、もっと効果的ながん対策を行う強力な手助けになります。本プロジェクトではこれらのデータを私たちが利用できる形に整理し、みんなが使える「情報システム」を作り上げようとしています。「見える」「分かる」がん情報を提供しようと考えているのです。
患者・市民に向けて
・患者・家族・府民は、相談対応を受け、身体的・精神的・時間的・経済的負担の悩みを軽減することができます。
・いつでもがん情報サイト「大阪がんええナビ」から求める情報を入手することができ、適切ながん治療や支援方法の選択・検証をすることができます。
・他地域にまたがって、市民は、かかりつけ以外の医療機関の診療への取り組みや診療連携に関する知識を得、自地域に波及した取り組みを受け取ることができます。
地域に対して
・拠点病院の相談支援センターや患者サロン、情報室で、60カ所の相談担当者が、患者・家族の相談支援において、地域で患者の悩みに対応する仕組みができます。
・がん情報サイト研修会を受けた人達により、がん情報獲得の重要性が伝えられ、がん情報サイトのアクセス数が増加し、地域における顕在的潜在的がん難民数が減ります。
・他地域の市民目線の情報提供のあり方・課題を知ることで、自地域での取り組みに反映させることができます。
他の地域への普及
コンベンション“市民による市民のためのがん情報(仮)”に他都道府県のがん情報提供者が参加し、好事例を共有、各地での取り組みに反映させます。市民側の参加した患者市民目線の情報提供の仕組みが広がります。
これらの目標を達成するために、がん患者とその家族、医療や府内市町村などの行政に携わる人々などとつながりながら、本プロジェクトを進めていきます。私たちは、大阪府民のみんながこのプロジェクトにつながっていると考えています。
・がん情報サイト研修会で操作体験をした相談対応者が、「大阪がんええナビ」を閲覧、活用します。
・がん情報サイト研修会に、一般100人が参加し、80人がアンケートでがん情報獲得の重要性を認識します。
・患者・家族・府民ががんについての知識を高め、治療や支援方法の選択・検証に役立てます。
・住民目線の情報提供への関心を更に喚起し、各地の好事例を共有、波及させます。
・患者・家族・府民が求めるがん情報に早く辿りつける総合的な情報サイト“大阪がんええナビ”を構築し、2011年3月1日に公開します。
・がん拠点病院や患者サロン・患者会等で、がん情報サイト“大阪がんええナビ”の研修会を開催し、操作マニュアルを配布します。
・一般対象のがん情報サイト研修会を開催し、啓発パンフレットを配布します。
・各地方の参加者を募ったコンベンション“市民による市民のためのがん情報(仮)”を当地において開催します。
私たちは、地域の皆さんとコミュニケーションの場を設けます。インターネットなどを通して発信される私たちの動向に、どうぞご注目ください。
本プロジェクトは、私たちが進めます。(かっこ)内は所属を表しています。
・濱本 満紀 (NPO法人がんと共に生きる会事務局長) → 市民医療リーダーに聞く
・池上 英隆 (いいなステーション)
・片山 環 (NPO法人グループ・ネクサス)
・佐古 健太郎 (大阪肝臓友の会)
・江川 浩司 (NPO法人がんと共に生きる会)
・川相 一郎 (NPO法人がんと共に生きる会)
・井岡 亜希子 (大阪府立成人病センター がん予防情報センター 企画調査課課長補佐)
がん患者や家族にとって情報は勇気です。
大阪府が持つ専門家向けのがん情報を、皆さんが活用できる形にして届けます。
がん患者や家族にとって、がんの治療についての情報が一筋の希望になる時があります。がん拠点病院などの持つ個々の治療に関するデータに、一般人がアクセスするのは困難です。しかし私たちは地域の持つがん情報の中から患者にとって有益な部分を選び出して、誰もが利用できるよう一元的に整理したいのです。患者や家族が行っている情報収集の負担を軽くし量的にも充実を図れば、患者・家族、医療提供者と行政などをつなぐコミュニケーションの質の向上に貢献できると考えるからです。
がんについての情報は、扱いに慎重さを求められる部分があります。そのため 大阪府がん診療連携協議会に「がん診療情報の提供のあり方検討部会」が設置されています。この検討会には、私たち「大阪がんええナビ制作委員会」も オブザーバー参加します。本委員会は大阪を中心とする患者会、医療提供者によって構成されています。今回のプロジェクト採択によって国内の他の地域プロジェクトとの連携など、今後につながる新しい動きの芽生えにも期待を寄せているところです。
(濱本 満紀:NPO法人がんと共に生きる会)
・大阪府立成人病センター
・大阪府健康医療部
・大阪がん診療ネットワーク研究会
・関西がんチーム医療研究会
以下の予定でプロジェクトを進めます。
1月 | サイト広報およびプロジェクト広報パンフレット普及版作成開始 |
“大阪がんええナビ”構築作業 | |
2月 | “大阪がんええナビ”構築作業 |
3月 | “大阪がんええナビ”公開 |
“大阪がんええナビ”及びプロジェクトの広報パンフレット普及版が完成予定 | |
4月 | 一般対象サイト操作研修会の開催 |
5月 | “大阪がんええナビ”構築作業 |
6月 | “大阪がんええナビ”構築作業 |
7月 | 一般対象サイト操作研修会の開催 |
8月 | “大阪がんええナビ”構築作業 |
9月 | “大阪がんええナビ”構築作業 |
10月 | “大阪がんええナビ”構築作業 |
11月 | “大阪がんええナビ”構築作業 |
“市民による市民のためのがん情報提供コンベンション(仮)”開催 | |
12月 | “大阪がんええナビ”構築作業 |
活動レポート~地域から生まれる好事例2010~(抜粋版:大阪)
・情報サイト“よくわかる! 大阪のがん情報NOW”の拠点病院情報を50病院に追加し、操作性向上のためにリニューアルしました。
・“よく分かる! 大阪のがん情報NOW”に関するサイト操作研修会を、一般向けに6回開催しました。
・“よく分かる! 大阪のがん情報NOW”サイト広報のパンフレットを作成し、2560部配布しました。
・患者・家族満足度調査の一環で“病院アメニティ、療養生活のアンケート”を実施し、結果をイベント(さつき歌と装いのハーモニー)で発表しました。
・地域がん診療連携協議会の「がん診療情報の提供のあり方検討部会」(9/1開催)に参加し、“よくわかる!大阪のがん診療NOW”と既に公開されている大阪府がん登録データに基づいた診療成績とのリンクに了解を得ました。
・紙アンケートによる43全市町村検診調査を実施し、市町村ごとに「健康診断レポート」を作成しました。
・“よくわかる!大阪のがん情報NOW ”のアクセス数:1000件/月達成しました。
・サイト操作研修会に来場した参加者数、目標100を達成しました。
・メディアによる報道について 2010年4月9日:毎日新聞、5月17日:産経新聞、読売新聞
活動レポート~地域から生まれる好事例2009~(抜粋版:大阪)
・大阪府がん診療連携拠点病院から参加(14病院)していただき、「大阪府がん相談支援センター座談会」を実施しました。
・大阪府がん診療連携拠点病院15施設に“がん情報サイト使用状況アンケート”を実施しました。14施設24人に回答していただき、回答結果を地域がん診療連携協議会「がん診情報の提供のあり方検討部会」に参加の38施設の担当者に配布しました。
・地域がん診療連携協議会「がん診療情報の提供のあり方検討部会」にオブザーバー参加しました。
・「大阪がん診療ネットワーク研究会」にて、大阪府内主要がん医療施設従事者に対し、本プロジェクトを解説しました。
・「府民へ届け!がん情報サイト研修会」開催し、参加者130人に「よくわかる!大阪のがん診療NOW」を体験していただきました。
・メディアによる報道について、09年11月25日:産経新聞、12月2日:読売新聞、3日:毎日新聞、7日:読売新聞
本プロジェクトへのお問い合わせは、下記までお願いいたします。
・申請代表者氏名:濱本 満紀
・住所:530-0041大阪市北区天神橋3丁目9-1 昭和ビル305号
・電話:06-6354-3546 FAX:06-6354-3546
・E-Mail:info@osaka-anavi.jp
更新日:2011年04月01日