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【レポート】 患者アドボカシー、9割が「重要」

図7:議員のがん政策提言活動に関する意識
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 国会議員・都道府県議会議員には、がん政策への取り組みについて質問をしています。「国会議員や都道府県議会議員のがん政策提言活動の重要性」について聞いたところ、「重要だ」あるいは「どちらかといえば重要だ」と回答したのは合わせて99%でした(図7)。「国会議員や都道府県議会議員のがん政策提言活動の活発度」については、「高まっている」「どちらかといえば高まっている」と回答した人が65%、「国会議員や都道府県議会議員のがん政策提言活動の成果」については、「成果を生んでいる」「どちらかといえば成果を生んでいる」と回答した人が53%でした。やはり、重要性の認識に比べ活発度や成果についての認識が低くなっています。

図8:議員のがん政策提言活動の内容
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 実際の活動としては「がん政策、がん条例、がん対策予算などについての学習」(73%)、「議員同士の意見交換と協働の場(議員連盟や委員会など)の参加や設定」(61%)、「がん政策を考えるイベントなどの参加や開催」(45%)などが挙がっています(図8)。

 議員についても、活発度や成果を高める一つの手段として、患者アドボカシー活動との連携が考えられます。

患者アドボカシー、他ステークホルダーとの協働が必要

 アンケート結果では、がん政策における患者アドボカシーの重要性について高い認識が示されました。この認識は、患者・家族ご自身においても、他のステークホルダーにおいても同様に高いものでした。患者アドボカシーの重要性に比べると、その活性度や成果についての認識は低く、ギャップがあることが分かりました。今後は、患者アドボカシーが高まり、かつ、成果がさらに表れることが求められると考えられます。

 がん政策において重要な役割を担うステークホルダーについての意識は、患者・家族の回答では「医療提供者」と「議員」の回答が少なく、医療提供者と議員の回答では「患者・家族」の回答が少ない傾向がありました。また、患者アドボカシーの内容、医療提供者アドボカシーの内容、議員の政策提言活動の内容を見ると、仲間(関係者)同士の協働などの活動を行っている人は多いですが、他のステークホルダーとの協働や働きかけに関する活動を行っている人は少ない結果となっています。

 それらの結果から、患者アドボカシーの重要性と、活発度や成果の間にあるギャップを埋めるために、患者・家族からの議員や医療提供者への働きかけや協働活動が重要となることが考えられます。また、医療提供者によるアドボカシーや議員の政策提言活動についても、患者・家族と連携した協働活動は、重要性と活発度・成果のギャップを埋める手段となりうるでしょう。

 がん政策を考える際、患者さんやご家族が重要なステークホルダーであるということは、共通認識になりつつあります。今後は、活動が成果につながるために、さまざまなステークホルダーが協働することについての重要性が高まるともいえそうです。

アンケート概要
【目的】

がん対策に関係のあるさまざまな立場の方の、がんアドボカシーの意識や実際の活動を明らかにする。
【対象者】

下記のがん対策の関係者

1, がん患者・家族
全国のがん患者団体に所属する方、当機構主催のメーリングリスト参加者など

2, 国会議員・都道府県議会議員
全国会議員、医療や健康に関する委員会に所属する都道府県議会議員

3, 47都道府県庁がん対策担当者

4, 医療提供者
全国388ヶ所のがん診療連携拠点病院の医療提供者
【方法】

インターネット調査(一部、FAXによる回答)
【期間】

2011年9月9日(金)~9月30日(金)
【有効回答数】

患者・家族 103件
国会議員・都道府県議会議員 89件
都道府県庁がん対策担当者 45件
医療提供者 263件



※アンケート結果の詳細については、単純集計表をご参照ください。


更新日:2011年11月14日

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